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あの世の探検 - 地獄の十王勢ぞろい -
2023年8月11日〜9月24日
静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)
2022年10月に、主な展示部門を世田谷岡本から丸の内の明治生命館に移した静嘉堂文庫美術館、愛称「静嘉堂@丸の内」を初訪問する。
丸の内で、あの世の予習。
閻魔王を含む十人の王に、初七日から七七日(四十九日)までの七日ごと、および、百日・一年・三年の各忌日に、順次、それぞれ裁かれる。
《十王図・二使者図》12幅
元〜明時代 14世紀
重要美術品
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✳︎中央は《地獄菩薩十王図》1幅、高麗時代 14世紀。
《十王図・二使者図》と一具で伝来。試しに本展では伝来に則し、中尊として展示したとのこと。
以下、画面手前の亡者の部分画像。
第一 泰広王 初七日に裁く
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・伽械をはめられ、牛頭に鎖を引かれて来る亡者。
・供養のための経箱や掛軸を持って降臨する、白雲に乗った侍女。
亡者の生前を綴った文書を持参する使者。
第二 初江王 二七日に裁く
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・「三途の河」を渡る。
・鬼卒に臼でひかれる亡者。
祈るしぐさをする赤い服の供養者。
第三 宗帝王 三七日に裁く
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・手と頭を縛られた亡者。
巻物を掲げて嘆願する、伽械をはめられた亡者。
刑罰軽減のために、仏像や経箱、掛軸を持参する5人の供養者。
第四 五官王 四七日に裁く
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・業秤で、亡者の生前の善業と悪業をはかる。
・周りには合掌する供養者と、仏像を掲げる僧侶。
・伽械をはめられた男女の亡者に対し、王を見よと指差す使者。
第五 閻魔王 五七日に裁く
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・業鏡/浄頗梨鏡に映る亡者の生前の行い。
第六 変成王 六七日に裁く
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・二人の獄卒に締め上げ踏みつけられる亡者。
・馬頭に命ぜられ、順番待ちの伽械をはめられた亡者たち。
第七 泰山王 七七日に裁く
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・大きな岩の下敷きになる、伽械をはめられた亡者。
・仏塔・仏像・物を携えてきた供養者と僧の一団を見やる、女性の亡者。
・巻物を差し出して嘆願する亡者。
第八 平等王 百箇日に裁く
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・再び業秤で、亡者の生前の善業と悪業をはかる。
伽械をはめられた亡者に業を見よと示す、三つ目の牛頭。
第九 都市王 一周年に裁く
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・責苦をうけ、血を流す亡者。
・業簿を読み上げる司官。
第十 五道転輪王 三周年に裁く
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・死後の行先が決定する。
・牛頭に戟をつきつけられ、地獄に落ちる亡者たち。
牛頭の真上には、畜生道に落ち、手を括られ馬の頭となった亡者も。
ヘビーな責苦だが、かなり抑えめの描写。
これが日本に伝わって、時代が経ち、江戸時代中期にもなると、責苦の描写ばかりに力を注ぎ、人々に恐怖を与えることだけが目的のようなヘタウマ的な十王図が多数生み出されることを、2021年の神奈川県立歴史博物館「十王図」展において、神奈川県下の寺が所蔵する「十王図」を見て、知る。
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静嘉堂文庫が所蔵する主に仏教美術が展示される本展、他には以下のような作品を楽しむ。
《水月観音像》高麗時代 14世紀
河鍋暁斎《地獄極楽めぐり図》1869〜72年
✳︎「田鶴の臨終」が公開
《十二霊獣図巻》室町時代 16世紀
円山応挙《江口君図》1794年
国宝《曜変天目茶碗》南宋時代 12〜13世紀
中国の12の霊獣を描いた《十二霊獣図巻》から。
声は嬰児の泣き声のようだという「ろうてつ」
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子どもの病を取り除くという「げん」
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河鍋暁斎《地獄極楽めぐり図》の本『とことん鑑賞 地獄極楽めぐり図』が販売されている。
原寸の80%縮小複製、全40図を蛇腹状で収め、別冊で解説本がつき、柴田是真作の箱を模したカバーに入る。5,000円か。