東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

「印象派 モネからアメリカへ - ウスター美術館所蔵」(東京都美術館)

2024年02月15日 | 展覧会(西洋美術)
印象派 モネからアメリカへ
ウスター美術館所蔵
2024年1月27日〜4月7日
東京都美術館
 
 
 アメリカ・ボストン近郊に位置するウスター美術館の所蔵作品を主として、フランス&欧州、アメリカ、日本の印象派を見る展覧会。
 
【本展の構成】
1章 伝統への挑戦
2章 パリと印象派の画家たち
3章 国際的な広がり
4章 アメリカの印象派
5章 まだ見ぬ景色を求めて
 
 
 本展の出品作品数は、68点。
 
所蔵別には、
・ウスター美術館 53点
・国内所蔵    15点
 
画家の出身国別には、
・フランス&欧州 25点(うち国内所蔵4点)
・アメリカ    32点
・日本      11点(うち国内所蔵11点)
 
 
 アメリカ人の画家に重きが置かれている。
 その人選は、日本の印象派についてそれを語るに欠かせない画家(8人)が取り上げられていることから考えると、アメリカの印象派を語るには欠かせない画家を揃えているに違いない。
 
 フランスの画家は、モネ《睡蓮》の威力は圧倒的であるけれども、全体としては物足りない感。
 モネ、ルノワール、セザンヌは各2点出品されるが、それぞれ1点が国内所蔵。ベルト・モリゾの1点は国内所蔵。
 モネ《睡蓮》の出品と引き換えに、相当絞られた感じがする。
 
 日本の画家は、日本の印象派を取り上げる機会はいくらでも別にあるのだから、私的には本展で見なくてよい。理屈はあるだろうが、出品数嵩上げの目的もあったのだろうと思う。
 
 嵩上げすれども作品のサイズも特に大きいわけではなく、スペース的に余裕があるようで、展示室内に2箇所(会場入口を含めると3箇所)もフォトスポットを設けている。
 
 
 東京都美術館ではあまり記憶にないこと。
 近年は撮影可能作品を用意している東京都美術館の展覧会、本展では作品撮影を一切不可とした代わりという面もあろう。
 
 
お気に入り3選
 
クロード・モネ
《睡蓮》
1908年、94.8×89.9cm
ウスター美術館
 1909年5月6日から6月5日まで、パリのデュラン=リュエル画廊で開催されたモネの個展「睡蓮:水の風景連作」への出品作48点のうちの1点。
 水の色、紫と黄、緑と赤、「柔らかなパステルカラー」が好ましく、実に素敵な作品。
 ウスター美術館は本作を1910年に購入。「睡蓮」を購入した世界で初めて美術館となったとのことである。
 
 
メアリー・カサット
《裸の赤ん坊を抱くレーヌ・ルフェーヴル(母と子)》
1902-03年、61.3×35.1cm
ウスター美術館
 アメリカ人で、パリに絵の勉強に行き、ドガと知り合い、印象派展にも出品した女性画家。2016年の横浜美術館で回顧展があった。
 後半生らしい画風と主題の作品。赤ん坊が可愛い。
 
 
ジョン・シンガー・サージェント
《キャサリン・チェイス・プラット》
1890年、101.9×76.7cm
ウスター美術館
 イタリア生まれのアメリカ人で、おもにパリとロンドンで活動した画家。
 本作は、ウスター美術館関係者からの注文によりその娘を描いたものであるが、注文主が気に入らず、未完成に終わっている。即興的な筆使いで知られる画家の制作過程が伺える旨の説明。
 
 
 私的には、モネ《睡蓮》を観た展覧会。
 
 本展は、上野のあとは、郡山、八王子、大阪に巡回する。東京都で2回も開催するのだ。
 
 いつもどおり、帰りの下りエスカレーターにも1箇所フォトスポットあり。


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。