東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

夢見るフランス絵画(Bunkamuraザ・ミュージアム)

2014年11月08日 | 展覧会(西洋美術)

夢見るフランス絵画 印象派からエコール・ド・パリへ
2014年10月18日~12月14日
Bunkamuraザ・ミュージアム


展覧会名を「夢見るフランス絵画」とした企画者の思い。

小難しいことは抜きに、美しい絵画を味わおう、酔おう。
それができるレベルの作品が揃う。
印象派とエコール・ド・パリの代表画家16人の71作品。
驚くことに、これら作品すべては、一人の日本人によるコレクションであるらしい。


出品画家と出品数

第1章 印象派とその周辺の画家たち
・セザンヌ  2点
・シスレー  2点
・モネ    4点
・ルノワール 7点
・ボナール  1点
・マルケ   1点

第2章 革新的で伝統的な画家たち
・ヴラマンク 10点
・ドラン   2点
・ルオー   6点
・デュフィ  2点

第3章 エコール・ド・パリの画家たち
・ユトリロ  11点
・キスリング  7点
・藤田嗣治   6点
・モディリアーニ 2点
・ローランサン 4点
・シャガール  4点 


これら画家選択の妙。まさに「フランス的」というイメージどおり。


印象的な作品

1 セザンヌ
 特に後者。奥行きのある前景と、壁のような中景と、遠くにある山の頂のバランスが不思議。
No.2≪大きな松と赤い大地(べルヴュ)≫
No.1≪イル=ド=フランスの風景≫


2 モネ
 小さな積み藁(No.7)、小さなエトルタの断崖(No.6)、晩年の表現主義的な「睡蓮の池」の2分割された右半分(No.8)。

3 ルノワール
 晩年の作品が中心。
 本展のメイン・ビジュアルの一つ、No.11≪宝石をつけたカブリエル≫は、裏面の出品票により、1948年のヴェネツィア・ビエンナーレの印象派展への出品がわかるとのこと。
 No.13≪ド・ガレア夫人の肖像≫は、ルノワールの筆致ながら、その堂々ぶりはダヴィッド≪レカミエ夫人の肖像≫を連想する。

4 ボナール
 No.16≪トランプ占いをする女≫は、中流階級の日常を描いた作品。女性の雰囲気に惹かれる。今回のマイ・セカンドベスト。

5 マルケ
 No.17≪ナポリ湾≫。ヴェスヴィオ山。

6 ユトリロ
 No.44≪アミアンの大聖堂≫。絵葉書的だが、聖堂入口の彫刻も形状だけは描かれていて面白く観る。

7 キスリング
 女性像(No.67-68)も花(No.65-66,69)も、キスリングぽくない風景画(No.71)も楽しい。
 No.69≪百合≫の、白い花びらの描写に強く惹かれる。今回のマイ・ベスト。

8 藤田嗣治
 美しい女性(No.59)にも惹かれるが、インパクト大は、面長の人魚(No.58)

9 モディリアーニ
 久しぶりに観るモディリアーニ作品を楽しむ。
 No.53≪バラをつけた若い婦人≫
 No.54≪小さなルイーズ≫


 素敵な作品たちを観て、楽しい時間を過ごす。



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。