今年4回目の関西プチ美術旅行を敢行。
今回の行き先は、奈良・斑鳩の法隆寺&中宮寺。
初めてではない。美術鑑賞を趣味としてからは3回目。前回訪問が2008年12月より前なので、10数年ぶりの訪問。
JR法隆寺駅から徒歩で法隆寺に向かい、拝観開始時刻を少し過ぎた8時15分頃に到着する。
法隆寺では西院伽藍、大宝物院、東院伽藍のセット券が大人1,500円。昔はバラ券もあった記憶があるけれど。
なお、中宮寺では法隆寺の拝観券提示(口頭申告も可)で100円引きの大人500円。
五重塔および金堂のある「西院伽藍」から鑑賞開始。境内はまだ人が少ない。
五重塔の「塔本塑像」を覗いてから、金堂へ。
あれっ、なんか記憶と違う。
堂内、そして国宝仏像がしっかりと見える。
そういえば、と思い出す。昭和24年の火災による壁画の焼損事件以降、長い期間、照明なしであった金堂。自然の光と堂内に用意された懐中電灯の灯りだけが頼りであった金堂。その金堂に近年照明が導入され、劇的に鑑賞しやすくなったという話を聞いたことがある。
過去の記憶。
修学旅行生たちに囲まれて、金網に張り付き、(係りの人、他の拝観者、あるいは自分でかざす)懐中電灯の光が照らす堂内を覗き込む。薄暗い堂内、なんとか、あの有名な国宝仏像が安置されていることは確認できるが、その詳細な姿は見えない。そんな金堂。
今は違う。距離や角度はあるけれども、仏像も壁画も見える。
国宝《釈迦三尊像》、飛鳥時代。
左に国宝《薬師如来像》、飛鳥時代。
右に重文《阿弥陀三尊像》、もとの仏像が盗難にあい、鎌倉時代に飛鳥の古様式で制作。
国宝《毘沙門天像》は《釈迦三尊像》と《薬師如来像》の間に、国宝《吉祥天像》は《釈迦三尊像》と《阿弥陀三尊像》の間に立つ。ともに平安時代。
須弥壇の四隅に置かれる国宝《四天王像》、飛鳥時代の現存最古の四天王像。正面側2隅の像は距離も近めでよく見える。残る2隅の像は金堂の入口および出口脇のガラスから覗き込む形、堂内の照明はそこまで届かず、薄暗いうえガラス反射もあってよく見えない。LED照明の導入前は、堂内全体がこんな見え方だったのだろう。
金堂壁画(模写)。距離と角度はあるけれど、正面から見える範囲は充分に見える。
神聖な空間、その雰囲気にしばし浸る。時間帯が早めで拝観客が少ないことをいいことに、結局、50分ほど浸る。
後日調べると、LED照明の導入は、2008年12月、10年も前のことだったらしい。
10年前からそうだったことを今頃になって感心している次第。
あわせて私の過去の法隆寺訪問時期を整理。1回は2006年5月(これは確実)、もう1回はそれ以降でLED照明導入前、夢殿本尊「救世観音菩薩像」を見ているので2006年秋〜08年秋の間の特別開帳期間であるものと推定した。
LED照明の導入後も懐中電灯は活躍しているようだ。堂内の用意はなくなったが、ガイドさんは、懐中電灯を持ち、照らしながら説明をしている。昔の名残りなのだろうか。
さて、予定外に金堂に長居したので、あとは駆け足鑑賞となる。
西院伽藍のあとは、夢殿のある東院伽藍→中宮寺→大宝物殿の順に回る。
中宮寺の国宝《菩薩半跏像》は、4分ほどの説明ガイド録音を4回聞く程度の時間で済ませる。
大宝物殿では、国宝《百済観音像》を中心に、国宝《観音菩薩像(夢違観音)》や取り外していたため火災から免れた金堂内陣壁画の実物の一部重文《飛天》などを見る。
バスでJR法隆寺駅に戻る。
法隆寺・西院伽藍
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中宮寺
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法隆寺と大阪市立美術館の訪問をもって今回の関西プチ美術旅行は終了。
次回は、フェルメール展@大阪市立美術館を希望。