栄西と建仁寺
2014年3月25日~5月18日
東京国立博物館
栄西(ようさい、または、えいさい)と建仁寺にまつわる幅広い分野の品々が出品されているのだろうが、本展は、私の関心からいえば、、「俵屋宗達≪風神雷神図屏風≫と海北友松の襖絵」展。
となると、≪風神雷神図屏風≫は確かに魅力的とはいえ以前見たことがあるし、海北友松という名前は全く知らないし、他の著名な絵師の作品も期待するほどとは限らないし、と当初はパスしようかと思っていた。
しかし、尾形光琳≪風神雷神図屏風≫を本館7室で見て、やはり本家も見たい、と訪問する。
会期は、既に後期入り。
結果として、非常に楽しめた。
訪問タイミングもよかった。
第2の目玉、海北友松≪雲龍図≫が8幅とも展示される期間にあたっていたからだ。
私の興味に沿いそうな第二会場から鑑賞を開始する。
いきなり海北友松の襖絵(の掛軸仕立て)が5点、26幅が展開される。
そのなかでは、やはり≪雲龍図≫。
1巡目の際は人も多く、至近距離で鑑賞した。
2巡目は列が途切れることが多くなり、椅子に座りながら全体をじっくりと眺めることができた。
2012年のボストン美術館展の蕭白≪雲龍図≫を思い出す。当時はこのような画に人気があったのだろうか。
第二会場を2巡して、第一会場は一応歩いて(第二室にも狩野山楽等の絵画があった)、最後にお気に入りで締めるという鑑賞。
<お気に入り>
1位:俵屋宗達≪風神雷神図屏風≫
最後の最後に登場する、緑の風神、白の雷神は、やはり魅力的。
風神の手の下には、人の顔(眉、目、鼻)が見える(らしい)。
2位:海北友松≪雲龍図≫
海北友松の大型作品が多数出ていたが、本館7室の2点も含め、≪雲龍図≫以外には特段興味わかず。
3位:≪熊野観心十界曼荼羅≫
動植綵絵の直前に描かれたという、白の描き分けが実に見事な若冲≪雪梅雄鶏図≫や、余興の場で即効で描かれたという芦雪≪牧童吹笛図≫などもよかった。
が、ここは、地獄の厳しい責め苦が描かれた、六道珍皇寺所蔵、17世紀作の本作を選ぶ。
そのような責め苦が描かれた作品は中国産を含めて何点かあったが、そのなかではいちばん興味深い。
私だけではないらしく、≪風神雷神図屏風≫の次に、観客の密集度合いが高かった。