東京でカラヴァッジョ 日記

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絶対見逃せない、2025年の美術展(西洋編)

2024年12月18日 | 展覧会情報
 今年もこの季節がやってきた。
 
 日経トレンディ2025年1月号臨時増刊『日経おとなのOFF   2025年絶対見逃せない美術展』。
 
 2023・24年版に引き続き、書店には、通常版のゴッホ《夜のカフェテラス》表紙のものと、NFT特装版のカペ《自画像》表紙のものと、2種類が並んでいる。内容は同じ。
 購入するのは当然、安いほう。
 
 
 眺める。
 
 
 まずは、西洋美術展。
 
 
2025年絶対見逃せない、西洋美術展、私的トップ2。
 
西洋絵画、どこから見るか?ー ルネサンスから印象派まで
サンディエゴ美術館 vs 国立西洋美術館
2025年3月11日〜6月8日
国立西洋美術館
(京都を巡回)
 
 米サンディエゴ美術館の49点 vs 国立西洋美術館の39点。
 特大の期待は、クリヴェッリの初期作品《聖母子》!!!
 ファン・サンチェス・コターンやスルバランのボデゴン(静物画)も!
 18世紀末のフランス女性画家カペとブノワの共演も!
 
 
ヒルマ・アフ・クリント展
2025年3月4日〜6月15日
東京国立近代美術館
 
 初めて名を知るスウェーデンの女性画家ヒルマ・アフ・クリント(1862-1944)。
 カンディンスキーやモンドリアンより早く、1906年に、抽象絵画を創案したという。
 同時代の神秘主義思想や女性運動などが画家の創作の源となっているらしい。
 死後20年間は作品を世に出さないよう言い遺したことで、長らく限られた人々に知られるばかりであったが、1980年代以降いくつかの展覧会で紹介が始まり、21世紀に入るとその存在は一挙に世界的なものに。2018年にNYのグッゲンハイム美術館で開催された回顧展は同館史上最多となる60万人もの動員を記録したという。
 このような画家を約140点の規模で紹介してくれることは非常にありがたく、非常に楽しみにしている。
 
 
 
トップ2に続く、期待する西洋美術展。
主に19世紀以降の近現代美術展となる。
 
異端の奇才 ー ビアズリー
2025年2月15日〜5月11日
三菱一号館美術館
(久留米、高知を巡回)
 
 倫敦のヴィクトリア・アンド・アルバート博物館との共同企画で約200点が紹介される本展は、1898年に25歳で亡くなった画家を知る絶好の機会になってくれるだろう。
 
 
ミロ展
2025年3月1日〜7月6日
東京都美術館
 
 20世紀スペイン美術の巨匠ミロ。本展は、約60年ぶりに初期から晩年までを総覧する過去最大の回顧展だという。
 約60年ぶりということは、1966年の東京・京都の国立近代美術館での「ミロ展」以来。このときミロは存命で、個展開催を機に初来日したことを2022年のBunkamura「ミロ展」で知った。
 
 
〈若きポーランド〉ー 色彩と魂の詩 1890-1918
2025年3月25日〜6月25日
京都国立近代美術館
 
 大阪・関西万博ポーランドパビリオン関連イベントの一環として開催されるらしい。クラクフ国立博物館の協力のもと、約130点が出品されるという。
 他への巡回はないようだ。気になるが、この時期は東京に限っても見たい展覧会が多すぎる。
 
 
オディロン・ルドンー光の夢、影の輝き
2025年4月12日〜6月22日
パナソニック汐留美術館
(岐阜、広島から巡回)
 
 岐阜県美術館での鑑賞は、山本芳翠展鑑賞後の余力僅少状態で、プロローグを見終わった時点で降参した私。
 東京の展示は、岐阜と比べて相当コンパクトになるだろうが、その分集中力をもって鑑賞できるものと期待。
 
 
オランジュリー美術館 オルセー美術館コレクションより
ルノワール×セザンヌ
モダンを拓いた2人の巨匠
2025年5月29日〜9月7日
三菱一号館美術館
 
 オランジュリー美術館とオルセー美術館から約50点が来日するらしい。
 セザンヌをじっくりと見たい。
 
 
パウル・クレー展 創造をめぐる星座
2025年6月7日〜8月3日
静岡市美術館
(愛知、兵庫から巡回)
 
 スイスのバーゼル美術館やパウル・クレー・センターからも出品予定。バーゼル美術館からは、初来日作品が何点かあるらしい。
 本展は東京では開催されない模様。遠征するなら静岡になるだろう。
 
 
オーストラリア現代美術
彼女たちのアボリジナル・アート
2025年6月24日〜9月21日
アーティゾン美術館
 
 オーストラリアの現代アボリジナル・アートのコレクションを拡充しているアーティゾン美術館が、所蔵作家4名を含む7名と1組の女性作家の作品を紹介する、満を持しての展覧会。
 
 
スウェーデン国立美術館 素描コレクション展
 ー ルネサンスからバロックまで
2025年7月1日〜9月28日
 
 ストックホルムから15〜17世紀の素描が約80点やってくる!
 デューラー《三編みの若い女性の肖像》は楽しみ!
 ポントルモ《女性の肖像のための習作》やルーベンス《ロビン、アランデル伯爵の家臣》にも期待!
 
 
ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢
2025年9月12日〜12月21日
東京都美術館
(大阪から巡回、愛知へ巡回)
 
 ゴッホ美術館所蔵作品による「ゴッホ展」。コレクションを守り伝え続けたゴッホ家の尽力にもフォーカスするようだ。
 もう一つ、クレラー=ミュラー美術館所蔵作品による「大ゴッホ展」第1期も、2025年秋から神戸で始まる予定(東京への巡回は2026年夏)。約20年ぶりに来日する《夜のカフェテラス》が目玉となる。
 
 
モーリス・ユトリロ展
2025年9月20日〜12月14日
SOMPO美術館
 
 またユトリロ展ですね、という感じではあるが、1910年代の「白の時代」の作品は見ておきたい。
 
 
オルセー美術館所蔵
印象派 ー 室内をめぐる物語
2025年10月25日〜2026年2月15日
国立西洋美術館
 
 期待は、初来日となるらしいドガ《家族の肖像(ベレッリ家)》!
 バジール《バジールのアトリエ、ラ・コンダミンヌ通り》との2014年以来11年ぶりの再会も楽しみ!
 
 
 
雑誌には触れられていないが、見逃したくない作品
 
大阪・関西万博におけるバチカン・パビリオンでの展示
カラヴァッジョ《キリストの埋葬》
 
 行く気はなかった万博だが、カラヴァッジョが来るなら、行かないわけにはいかない。
 しかし、この1点を見るためだけならば、入場料があまりにも高い。ただ、万博会場に一日中いるよりも、美術館巡りをしたい。
 
 
雑誌には触れられていないが、2024年からの継続課題
 
カナレットとヴェネツィアの輝き
2025年2月15日〜4月13日
京都文化博物館
 
 本展はSOMPO美術館(12/28まで開催中)で鑑賞済みであるが、京都・山口限り出品のカナレット《モーロ河岸、聖テオドルスの柱を右に西を望む》1738年頃、スフォルツァ城絵画館(ミラノ)も見たい。
 
 
 
 上記の他にも素敵な西洋美術展が計画されていることだろう。
 
 ただ、私の好む西洋古典絵画(オールドマスター)について言えば、2025年も花盛り!とはならないようだ。
 それだけに、国立西洋美術館の「西洋絵画、どこから見るか?」展は、じっくりと味わっておきたいところ。


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