京都・智積院の名宝
2022年11月30日〜2023年1月22日
サントリー美術館
長谷川等伯一門による智積院の金碧障壁画を見る。
出品障壁画は、次のとおり。
国宝《楓図》長谷川等伯筆
国宝《桜図》長谷川久蔵筆
国宝《松に黄蜀葵図》長谷川等伯筆
国宝《松に秋草図》長谷川等伯筆
国宝《雪松》長谷川派
《楓図》《桜図》《松に秋草図》が寺外で揃って公開されるのは初めて、《松に黄蜀葵図》が寺外で公開されるのも初めて、という。
画面の高さの違い。
《楓図》《桜図》《雪松》は、上下を切り取って整えられたらしく、低い。《松に秋草図》は制作当初の高さを維持しているらしい。《松に黄蜀葵図》は別々だった絵を上部に貼り継いだらしく随分の高さで、美術館の展示ケース仕様では上部が隠れている。
豊臣秀吉の3歳で夭折した息子の菩提寺として建立された祥雲禅寺の客殿障壁画として、1593年頃に完成する。狩野永徳の天瑞寺障壁画を下敷きにしたという。智積院が、徳川政権の元で、祥雲禅寺の伽藍とともに障壁画群を拝領する。
障壁画群は、1682年の火災や1892年の盗難、1947年の火災などにより、その一部が失われ、規模の縮小、画面の改変が施され、現在の姿に至る。1952年に国宝指定。
通常は、智積院の収蔵庫宝物館で公開されており、私も3年前に一度、京都国立博物館のすぐ近くにあるということで、訪問したことがある。
2023年4月からは、新しくできる収蔵庫宝物館で公開されるとのこと。
他には、同じ一角に展示の長谷川等伯筆《十六羅漢図屏風》六曲一双、1609年や、階が変わって展示の堂本印象筆《婦女喫茶図》八面、1958年なども面白く見る。