東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

【前期B】「江戸絵画お絵かき教室」展(府中市美術館)

2023年04月06日 | 展覧会(日本美術)
春の江戸絵画まつり
江戸絵画お絵かき教室
2023年3月11日〜5月7日
(前期:〜4月9日、後期:4月11日〜)
府中市美術館
 
 以下4/1付の呟きに誘われて。
 
 前期の期間内に、前半(前期A)・後半(前期B)で一部の作品の展示替えが行われることにも誘われて。
 
 「春の江戸絵画まつり」の前期を再訪する。
 「観覧券を購入すると「2度目は半額!」の割引券が付いてくる。」を利用して入場。
 
 展示替え作品よりも、前回(前期A)訪問時のお気に入り作品を中心に、鑑賞する。
 
 
 
江戸時代の絵画を教科書に描いてみたらどうだろう?
 
 
亜欧堂田善の「緑」  《墨堤観桜図》の謎
 黒々とした中央の松が印象的とされる本作だが、その黒々さは、田善が意図したものではなく、緑の油絵具の変色によるものだという。
 本作の忠実な模写作品(作者不詳、写真パネル展示)では、中央の松はきちんと緑色をしているので、模写制作時点(江戸時代後期〜明治時代と幅が大きい)では、変色には至ってなかった模様。
 この緑は、田善の油絵具レシピどおり、「石黄」の黄色と「ベレンス」の青色を混ぜて作っているとのこと。
 
亜欧堂田善
《墨堤観桜図》府中市美術館寄託
 至近距離での鑑賞が嬉しい。
 
 
表具を付け替え中の若冲。
古い表具と裏打ち紙を取ったあと、本紙を仮張り板に貼っている状態での展示。
伊藤若冲
《叭々鳥図》
 通期展示。
 
 
84年ぶりの再発見の雪舟。
1933年(昭和8年)の非公開の売り立て以来、個人蔵となり行方不明となっていたが、2017年に再発見された作品。
雪舟等揚 
《倣夏珪山水図》
 私的には、2018年の東博の特別展で観た記憶あり。
 
 
 
長澤蘆雪
《唐子遊図屏風》
 本展メインビジュアル。
 お絵かきで、ふざけて遊ぶ子どもたち、長い巻紙に大作描く子も。
《雀図扇面》
 蘆雪の雀、かわいい。
《象背戯童図》
 全部を描かない。異様な縦長作品。
 
円山応挙
《雪中狗子図》
 錯覚は今回も継続。
 どうしても中央の子犬が、漫画のヒロインのような、ルノワールの描く少女のような、大きくてキラキラしている瞳で、真っ直ぐこちらを見つめているように見える。
《狗子図屏風》滋賀県立琵琶湖文化館
《柿に目白図》
《虎皮写生図》本間美術館
 
伊藤若冲
《寒山拾得図》秋田市立千秋美術館
 かわいい人を描く。
《花鳥魚図押絵貼屏風》
 筋目描き。
 
土佐光起
《鶉図》
 本物の中国絵画のよう。
 
司馬江漢
《泥炭堀図》
 原画となったヤン・ラウケン『人間の職業』実物も展示。
《秋景双鳩図》府中市美術館寄託
《蘭人観桜図》府中市美術館
 
亜欧堂田善
《甲州猿橋之眺望》府中市美術館
 日本三奇橋の一つ、山梨県大月市にある猿橋。 
 実際は木造の橋だが、石の橋として描かれる。
 景観も、実際の狭い渓谷から全く違うものへと変えている。
 
佐竹曙山
《松之図》秋田市立千秋美術館
 松の全部を描かない。
 
与謝蕪村
《田楽茶屋図屏風》府中市美術館寄託
 縁日に集まる人々。席に腰掛け焼きまんじゅうを食おうとする男の大きく開いた口。着物の模様の白の色が目につく、両親兄弟と4人で縁日に向かう少女の笑顔。みんな楽しそう。
 
 
など。
 
 
 大きな展示替えが行われる後期も楽しみ。
 次回訪問時は、通常料金だ。


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