春の江戸絵画まつり
江戸絵画お絵かき教室
2023年3月11日〜5月7日
(前期:〜4月9日、後期:4月11日〜)
府中市美術館
以下4/1付の呟きに誘われて。
府中市美術館前の公園の桜、見頃を迎えています。風が吹くと桜吹雪が舞って本当にきれいです。江戸絵画お絵かき教室展と併せて、お楽しみください〜 pic.twitter.com/KhMvQD0FGw
— 江戸絵画お絵かき教室展@府中市美術館【図録制作チーム公式】 (@edo_fam) April 1, 2023
前期の期間内に、前半(前期A)・後半(前期B)で一部の作品の展示替えが行われることにも誘われて。
「春の江戸絵画まつり」の前期を再訪する。
「観覧券を購入すると「2度目は半額!」の割引券が付いてくる。」を利用して入場。
展示替え作品よりも、前回(前期A)訪問時のお気に入り作品を中心に、鑑賞する。
江戸時代の絵画を教科書に描いてみたらどうだろう?
亜欧堂田善の「緑」 《墨堤観桜図》の謎
黒々とした中央の松が印象的とされる本作だが、その黒々さは、田善が意図したものではなく、緑の油絵具の変色によるものだという。
本作の忠実な模写作品(作者不詳、写真パネル展示)では、中央の松はきちんと緑色をしているので、模写制作時点(江戸時代後期〜明治時代と幅が大きい)では、変色には至ってなかった模様。
この緑は、田善の油絵具レシピどおり、「石黄」の黄色と「ベレンス」の青色を混ぜて作っているとのこと。
亜欧堂田善
《墨堤観桜図》府中市美術館寄託
至近距離での鑑賞が嬉しい。
表具を付け替え中の若冲。
古い表具と裏打ち紙を取ったあと、本紙を仮張り板に貼っている状態での展示。
江戸絵画お絵かき展では、表具付け替え中の若冲をご覧いただけます。若冲(というか日本の絵全般)のこんな展示、おそらく史上初だと思います。 pic.twitter.com/1v6pVI557H
— 江戸絵画お絵かき教室展@府中市美術館【図録制作チーム公式】 (@edo_fam) March 28, 2023
伊藤若冲
《叭々鳥図》
通期展示。
84年ぶりの再発見の雪舟。
1933年(昭和8年)の非公開の売り立て以来、個人蔵となり行方不明となっていたが、2017年に再発見された作品。
江戸絵画お絵かき展には、じつは雪舟も展示されています。普段はなかなか公開されることのない個人蔵の作品ですが、ご所蔵家の特別なお取り計らいによって展示が叶った、名品中の名品です。前期のみ、4/9(日)までの展示となります。ぜひ、ご覧ください。 pic.twitter.com/nO4DAbFra8
— 江戸絵画お絵かき教室展@府中市美術館【図録制作チーム公式】 (@edo_fam) March 29, 2023
雪舟等揚
《倣夏珪山水図》
私的には、2018年の東博の特別展で観た記憶あり。
長澤蘆雪
《唐子遊図屏風》
本展メインビジュアル。
お絵かきで、ふざけて遊ぶ子どもたち、長い巻紙に大作描く子も。
《雀図扇面》
蘆雪の雀、かわいい。
《象背戯童図》
全部を描かない。異様な縦長作品。
円山応挙
《雪中狗子図》
錯覚は今回も継続。
どうしても中央の子犬が、漫画のヒロインのような、ルノワールの描く少女のような、大きくてキラキラしている瞳で、真っ直ぐこちらを見つめているように見える。
《狗子図屏風》滋賀県立琵琶湖文化館
《柿に目白図》
《虎皮写生図》本間美術館
伊藤若冲
《寒山拾得図》秋田市立千秋美術館
かわいい人を描く。
《花鳥魚図押絵貼屏風》
筋目描き。
土佐光起
《鶉図》
本物の中国絵画のよう。
司馬江漢
《泥炭堀図》
原画となったヤン・ラウケン『人間の職業』実物も展示。
《秋景双鳩図》府中市美術館寄託
《蘭人観桜図》府中市美術館
亜欧堂田善
《甲州猿橋之眺望》府中市美術館
日本三奇橋の一つ、山梨県大月市にある猿橋。
実際は木造の橋だが、石の橋として描かれる。
景観も、実際の狭い渓谷から全く違うものへと変えている。
佐竹曙山
《松之図》秋田市立千秋美術館
松の全部を描かない。
与謝蕪村
《田楽茶屋図屏風》府中市美術館寄託
縁日に集まる人々。席に腰掛け焼きまんじゅうを食おうとする男の大きく開いた口。着物の模様の白の色が目につく、両親兄弟と4人で縁日に向かう少女の笑顔。みんな楽しそう。
など。
大きな展示替えが行われる後期も楽しみ。
次回訪問時は、通常料金だ。