没後100年 青木繁展-よみがえる神話と芸術
2011年7月17日~9月4日
ブリヂストン美術館
39年振りの大回顧展、総点数240点(油彩作品約70点、水彩・素描約170点。+手紙などの資料約30点)。
28歳8カ月で世を去った画家の没後100年を記念して、空前の規模でその全貌を紹介。
私の訪問目的は、重要文化財の2点。
まず「海の幸」。
見るのは何回目かなあ。3回目かなあ。
なのに今回最初に思ったのは、あれっ、この程度の大きさだったかなあ、ということ。
本作は充分すぎるほど大きいですけどね。超特大な作品だと思い込んでいたようです。
そんなどうでもいい思いは瞬間で消え、あとはひたすら画面に引き込まれます。
素晴らしいですね。
きっと、人類は長い間こうやって生きてきたんだなあ、とか、好き勝手な思いにふけります。
そして「わだつみのいろこの宮」
これも見るのは3回目くらいかと思います。
下にいる二人の女性の足に注目しました。
右側の後ろ向き女性の、白の薄い衣装に透けて見える細い足。
もう一方、左側の女性の、赤の衣装がまとわりついて形があらわれている足。
なお、絵の上方は、照明の加減で見えにくかった。
他に長く眺めていた作品はというと。
「大穴牟知命」
右側の女性の眼力に注目。モデルは恋人の福田たねだそうです。
「女の顔」
これもモデルは、福田たねだそうです。
「自画像」(1904年、東京藝術大学)
「自画像」(1903年、石橋財団石橋美術館)
会場の最初のほうに展示されている自画像2作品も見入ります。
モネ風の海景画も多数ありました。
青木繁がモネ作品を実見したかは定かではない(たぶん実見していないとのニュアンスで私は受け取りました)が、モネを日本で一番早く消化した画家といえる、との旨のキャプションには関心を持ちましたが、作品自体にはそれほど惹かれなかったかなあ。
所謂代表作を専ら楽しみました。
せっかく集めていただいた総点数240点も、私にとっては、何はなくとも「海の幸」!!でした。