りゅうこん日記

静岡県にある磐田市竜洋昆虫自然観察公園です。
遊具やこんちゅう館、ビオトープと呼ばれる野外観察公園があります。

青いワラダン

2020-02-08 16:12:30 | 昆虫紹介
現在、当園では「だんごむし展」を開催中です!

様々なだんごむしが登場しておりますが、今回は中でも人気な「青い」ダンゴムシ、ワラジムシをご紹介いたします!


青いオカダンゴムシ


上の個体は種類としては公園や学校の校庭などにもよくいるオカダンゴムシ。ですが、この個体はイリドウィルスというウイルスに感染しており、そのウイルスが体内で増殖することで体が青く見えているのです。やがてこのダンゴムシは死んでしまいます。

このイリドウィルスは様々なダンゴムシ、ワラジムシに感染します。


青いセグロコシビロダンゴムシ



青いワラジムシ



青いホソワラジムシ


最近ガチャガチャでリアルなダンゴムシフィギュアが販売されています。そのなかにも青いダンゴムシがラインナップされており、子供たちにも大変有名です。そのため、企画展開始前から当園でも展示をしたいと考えていたのですが、なにせウイルスに感染している個体なため、寿命が短いようで長く飼育・展示できないかもという不安もありました。

そこで、ダンゴムシたちには申し訳ないですが、捕まえてきたイリドウィルスに感染した個体から通常の個体にウイルスをうつすことができないか実験してみました。方法としてはとても簡単で、小さめのケースに感染個体と通常個体を一緒に飼育し、感染個体のフンや死んでしまった感染個体を通常個体に食べてもらいました。イリドウィルスに感染した個体を採集しに行った際、同じ場所に非常に多くの感染個体がおり、こんな密度でいるのならダンゴムシからダンゴムシに感染しているのでは?と思ったため、飼育密度を高くしてうつるかどうか確かめることにしたのです。


採集してきた感染個体。たくさん同じ場所にいました。


一緒に飼育を開始してから数週間後、ケース内を確認すると数匹でありますが、イリドウィルスが通常個体にうつったのです!ウイルスがどうやってうつっていくのかネットや本などで調べても分かりませんでしたが、感染個体のフンや死骸を通常個体が食べることでうつることが分かりました。どこかで鳥を媒介して感染しているのではないかという意見も聞いたことがあるのですが、それについては実験が難しそうなのでできませんでした。
現在も継続的に感染個体が現れ、最初に採集してきた感染個体たちがいなくなった後も展示を続けることができています。

だんごむし展にお越しの際はぜひご覧ください!



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