こんな事いまさら言われてもと言う感じです。半世紀前から特に米国に行ったり住んでいたから、状況は当時から知っていた。
特にビジネススクール(経営大学院)については、大きな道路の向こうには全米でも超有名な大学のキャンパスが広がっている。スタンフォード大学だ、広大な敷地に文系から医学までの多くの学科を持つ総合大学、そこには日本からの留学生はいた、大抵は通産省等の公務員か大企業から選抜された若者だ、日本人が多く住む地域でないし、観光客も来る街でもない、サンフランシスコから車で1時間は掛かるから、郊外だ、ここに住む前には幾つかの都市や英国にも居たから地域を比較も出来る、住むには大変環境のいい街で、カリフォルニア州でも高級住宅地域として有名な街も有り、シリコンバレーとして当時から有名なエリアでHP(パソコン等のメーカー)の本社や、医療機器メーカー等先端技術を誇る企業群が有った。当時の住宅価格も高額で平屋が多いが宅地は150坪以上が多く、木々が生い茂っている、道幅は余裕で走れる、しかし昼間の人通りはない、たいへん静かな環境で、平均価格は4000万円で有った、現在では3~5億円はする、GAFAのアマゾン以外は本社がこの周辺に有る、住んでいた頃にはアップルは有ったが、経営は思わしくなかった。
スタンフォードは電子工学分野でも当然有名だから、大学院も充実している、当時から大学院卒でないと企業経営には関われないと言われていて多くの大学が競って内容を充実させていた。当時の日本では大学院まで行く人は限られていて、企業もそんな人材を求めてはいなかった、それでも企業に勢いが有ったから世界で勝てた、しかしその勢いも実態が共わないバブル現象でしかなかった、東京の山手線内の土地を全て売れば、米国が買えるなんておバカな事を言っていた時代だ、企業経営者なんか銀座で接待していれば仕事が貰えるから学歴よりはお酒が飲める方が有利、そこに大学間の仲間意識も入り、商品力よりもおバカな行為が優先する時代を経験してしまった。これが以降の苦しい経営を引き継ぐ事になる、バブル以降の30年に日本の中身は無い、これがアジアの中でも劣等生になってしまった、出生率が低いのに新規大学も多く造られて大卒人数は増えた、しかし内容の充実は疎かで、大学院教育なんか実態はどうで有っただろうか、その上博士課程まで進む学生は少ないのが日本だ。
この点で欧米と差が出る様になったと思える、最近の新聞記事の一面に、「低学歴国」ニッポンと書かれている。ここに2008年から10年後の2018年での100万人当たりの博士号取得者数が出ている。
日本、米国、ドイツ、英国、韓国、中国での比較だ。この中で取得者減は日本だけとなる、断トツ低い国で韓国と比べても半分以下だ、中国は総数では多いだろうが人口が多いから大きくは伸びてはいない。
当然これはこの10年間の数字で、これ以前から続く傾向で有ろう、以前から海外の製造業で大企業の経営者にはPh・Dが多いことは知っていた。日本はこの間でも文系からの社長が生まれている、技術に疎い社長では本来困るのだがバブルの後遺症なのか、進歩もなく30年間を過ごして来た、これを今反省しても遅いのだ、日本の製造業は工場の中国移転等国内では減らす傾向で有った、中堅社員を多く抱える企業のリストラは進んでいる、子どもが大学生も多い家庭で有ろう、政府も企業も進路を間違えた。それが日本だ。