こんなに離れていても地震の揺れは恐怖です、東京からの遷都論は全くと言う程に聞かなくなった。首都直下とか富士山の大噴火が起これば首都機能は全滅と言いながら、起こらなければの神頼みに期待しているかもしれない、暢気と言うかリスクに対する甘い思考は捨て去らなければいけない時期はとっくに過ぎているのに計画性のない国で良いのか、と大いに疑問だ。
米国はワシントンDCに政治の機能を集中させていています。ブラジルもサンパウロでなくブラジリアに行政都市を造った、豪州はシドニーでなくキャンベラに有る、ミャンマーでさえヤンゴンでなくネビドーに行政都市を造り上げた、インドネシアもジャカルタから移転先を探している、ボルネオ島(日本の本州より大きい)案が浮上したりしている。世界には遷都(首都機能移転)した国は他にも有り、身近な国は韓国です。正直こんな話は初めて聞いたが既に略完成し広大な土地に近代的な建物やIT機能を盛り込んだ行政都市が生まれようとしている。
その都市はソウルから南120kmの所の丘陵地帯に73万平方キロメートルもの地区に近未来都市が出現する。
世宗特別市の中に行政中心の複合都市で44の政府機関、15の国の研究機関、その周辺には1万4千人の国家公務員が暮らす高層アパートが立ち並んでいる。
2007年に着工して、第1段階は官庁移転やインフラ整備、第2段階の住宅建設は完了して、9年前から省庁移転が本格化して公務員も徐々に移転している。
今は第3段階でスマートシティーの建設に取り組んでいる。
移転には日本でも有りそうな不平や不満が渦巻いていたし、多くの問題点は共通している部分が多い現状は有るが日本に出来なくて、韓国政府が決断した事には評価しなくてはならない、ソウル駅から高速鉄道とバスを乗り継いで約90分と少々時間は掛かるが住環境が飛躍的に向上し、子育て世代には歓迎されている様子、住民の平均年齢は36歳で子どもの出生率は国全体で0.92と少子化が深刻だったがこのニュータウンでは1.47と全国の自治体の1位となっている。幼稚園は75ヶ所に増え、教育環境が充実している。
何より満足しているのが供給されたアパート(コンドミニアム)の値上がりが満足感を高めている。
ソウルには大統領府、外務省、国防省、法務省などの一部の省庁だけが残されている、国会議事堂も予算化され移転する、近い将来には大統領府の移転も計画に入っている、広大な土地はつくば市の学園都市の2.7倍も有る。
これで韓国人が日本より優位だとする遷都、スマートシティーが完成したら自慢が始まるだろう、しょうがない事実が韓国は出来て日本は出来ない構図だから何を言われても文句は言えない。
しかし、昨今公務員への接待や政治家が銀座に繰り出す光景が、地方に移転すれば無くなるか、少なくなるのは確実だから、韓国より日本が先に取り組む課題では有るが、日本はこのまま没落していく国になるのが確定かもしれない。
日本は自然災害の多い国で有ったし、今後は更なる強力な大地震が起こるのは確実視されている、そんな経験を反省して取り組む姿勢を示して欲しい。
(日経のソウル在住記者恩地さんのレポートから細部データは引用した)