周利槃特(しゅりはんどく)は竺(インド)の北部に生を受け 兄の摩河槃特(まかはんどく)と共にお釈迦様に弟子入りをした
周利槃特はひどく物覚えが悪く 自分の名前さえ覚えられん 一方兄は逆に聡明であった為 兄の賢さと比べられもの笑いの種だった
その為托鉢に出かけても お釈迦様の弟子として認められず 乞食坊主扱いをされ お布施を貰う事が出来きん
お釈迦様はこれを憐れみ 周利槃特と書いたのぼりをこしらえて
「明日からこれを背負って托鉢に行きなさい もし名前を尋ねられたら これでございますと のぼりを指差しなさい」
と言われた
次の日からのぼりを常に背負って歩きました 周囲から笑いものにされてもずっと・・・
さて兄は 物覚えの悪い弟に 何とかお釈迦様の教えを覚えさせようと手を尽くしてやりますが 弟の方は朝に覚えていたものを
昼には忘れてしまうありさま 周利槃特は自分の愚かさに涙を流して途方にくれた
それを見ていたお釈迦様は
「自分が愚かであると気づいている人は 知恵のある人です 自分の愚かさに気づいてないのが 本当の愚か者です」
と言われ ほうきを周利槃特に渡して
「ごみを払おう あかを除 こう」
と唱えて掃除をしな さいと教えました
「ただひたすらに・・・」
周利槃特はお釈迦様から与えられたそのわずかな教えと戒めを基に精進をし続けた その日から雨の日も 風の日も 暑い日も
寒い日も 毎日
「ごみを払おう あかを除こう」
と唱えながら 掃除をし続けた やがて「愚か者の周利槃特」と呼ぶ人はいなくなり「ほうきの周利槃特」と呼ばれるようになった
そして何十年経ち 周利槃特は自分の心のごみやあかを全て除き 阿羅漢と呼ばれる聖者の位にまでなったのである
お釈迦様は
「悟りを開くということは決してたくさんのことを覚えることではない わずかなことでも徹底すればよいのである
周利槃特は徹底して掃除をすることでついに悟りを開いたではないか」
と大衆の前でおっしゃいました
その後周利槃特が亡くなり 彼のお墓にあまり見たこともない草が生えてきました 彼が自分の名を背に荷(にな)ってずっと努力しつづけた
ことから この草は「茗荷(みょうが)」と名づけられたということ
「茗荷を食べ過ぎると忘れっぽくなる」
ちゅ~んは 茗荷を食べると周利槃特みたいに物忘れがひどくなるということのようぢゃ しかしお釈迦様の教えを守り
ただ ・ ・ ひたすらに ・ ・ ・ ・ ・ 自分にできることを実行し続けて 偉い 人になったわけですから
「茗荷を食べると賢くなる」
でも良いのかも知れんのぉ
ちなみに天才バカボンのレレレのおじさんはこの周利槃特ではないかと思う