映像 ☆☆☆☆
脚本 ☆☆
演出 ☆☆☆☆
役者 ☆☆☆☆☆
雰囲気 ☆☆☆☆☆
意外性 ★★★★
といった感じ。
実話をモデルにした、ウォーレン夫妻が登場する心霊ホラー『死霊館』シリーズの前日譚、『死霊館のシスター』の2作目。
前作で悪魔と対峙し、打ち勝った、シスター・アイリーンと農夫・モーリスが、南仏の女子寄宿学校に巣くう悪魔と対決する。
映画を良くした最大の功労者はロケ地を決定した担当者だろう。
若干時代がかかり過ぎているきらいはあるが、いかにも悪魔がでそうな校舎を、可憐な女子生徒が駆け回る様子は美しくもあり、残酷でもあった。
準ヒロインのソフィーを虐める、いじめっ子3人組みなどは、特にルックスが良く、いじめの嫌らしさをよく表現できていた。(実際のところ、直のいじめシーンより、意味もなく含み笑いをしながら走り去るシーンの方が、陰キャ的トラウマを上手く刺激してくる)
暗がりで蠢く怪しい影(登場人物の注意が向くと消える)や、瞬間的に現れ、登場人物を脅かす”見間違い”などの恐怖演出も良かった。
盛大に上がる火柱も迫力があって良かった。
脚本は不味いと思った。
場面転換が多く、序盤の20分ぐらいは混乱があった。前作を見ていれば、アイリーンとモーリスに注目して混乱を避けられるのかもしれないが、寄宿学校の古さもあって、時代の混乱も感じた。
また、最初は恐ろしく強力だった悪魔が、終盤いきなり弱くなったのも、演出上仕方ないとはいえ気になった。(出だしで神父を瞬コロしたのに、最後の追いかけっこでは誰も殺せていない)
古典に学び、ドラキュラ映画の日没と日の出のような仕組みがあった方が、整合性がとれ、緊迫感が出るのではないだろうか。
意外性の★は、僕に起因することで、作品のせいではないのだが、つけざるを得なかった。
というのも、スピンオフの2作目という今作の立ち位置を知らないまま見たため、いっこうに現れないウォーレン夫妻に苛立ち、だけど見覚えのあるようなシスター(※アイリーンとロレイン・ウォーレンの役者は実の姉妹ならしい)に既視感を覚えつつも、「全然違う話なんだな。そこそこ面白いけど、死霊館なんて紛らわしい題名つけるなよ」とプリプリしていたら、見覚えのある感じのエンディングロールが始まり、「んんん?」となってるところに、最後エド・ウォーレンが現れギャフンとなる、という裏切られ方をしてしまったのだ。
逆恨みだが、裏切られたので★。
余談だが、売店で買った『ゆず生姜茶』が美味しかった。
(美味しかったのだが、何を思ったか『ゆず”なま”しょうが』だと空見してしまい、注文する段になって、”茶”に気づき、「ゆず、なましょう…ちゃ?」とアホな注文をしてしまった)