歌舞伎学会事務局

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書籍紹介『歌舞伎―研究と批評』第3号

2013-02-12 08:23:57 | 書籍紹介
『歌舞伎―研究と批評』第3号は、平成元年(1989年)7月15日に刊行されました。

特集は「武智鉄二の業績」、歌舞伎の演技・演出を改めて問い直す時に必ず持ち上がってくるテーマです。

いわゆる「武智歌舞伎」は、昭和24年(1949年)から27年(1952年)にかけて関西を拠点に上演された実験的な公演で、坂東簑助(八代目坂東三津五郎)を指導役として、実川延十郎(三代目延若)、坂東鶴之助(五代目中村富十郎)、中村扇雀(現四代目坂田藤十郎)ら若手俳優達が参加していました。現代において「怪人」とも称されるその人柄や、歌舞伎演出の詳細、その俳優論などを明らかにしながら、武智の試みを見つめ直しています。

舞台批評は、批評家五人が集まってそれぞれの感想を述べ合う「合評」になっています。

題して「東京大歌舞伎評判記」。

昭和63年(1988年)11月から平成元年(1989年)4月までの歌舞伎座と国立劇場、浅草公会堂の演目を役名(役者名)ごとに評していくスタイルで、なんと百三十頁近い長編です。今の劇評では読めないような辛辣な批判や、意外な擁護などを通して、当時の舞台の息づかいが感じられるとともに、歌舞伎の見方の多面性を知ることができます。





舞台写真巻頭は、合評で驚くほど酷評されている「二人道成寺」。
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現在のところ、事務局在庫は一冊のみです。
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