『歌舞伎―研究と批評』第4号は、平成元年(1989年)12月7日に刊行されました。
この年6月に、二代目尾上松緑が亡くなったため、この号の特集は追悼記事との二本立てになっています。
特集・昭和歌舞伎回顧では、まず藤田洋氏による「菊・吉歌舞伎の検証」。菊・吉とは、「六代目」と言えばその人の姿が浮かぶ六代目尾上菊五郎と、一代でその名を大きくした初代中村吉右衛門。ともに昭和三十年代を待たずに他界しますが、その後の歌舞伎界に多大な影響を及ぼしました。
松井俊諭氏は、明治後期に人気を博し昭和初期の不遇な時代を経て戦後に再評価された七代目澤村宗十郎を論じ、小笠原恭子氏は、吉右衛門劇団の立女形であった六代目中村歌右衛門の政岡をとっかかりに初代吉右衛門の死後の歌舞伎を考察。上総英郎氏は昭和三十年代の南北劇ブームについて語っています。
特集・尾上松緑追悼では、劇評家三氏がそれぞれの視点でその芸を語り、生涯の出勤演目・役名を収めた「二世尾上松緑年譜」を掲載しました。
バラエティに富んだ研究論文の中では「歌舞伎研究とコンピューター」という表現が、その時代を感じさせます。今では電話並の普及率となったパーソナルコンピューターですが、平成元年当時はコンピューターを使用したデータベースの作成方法が論文になり得たのです。
舞台批評は平成元年6月から8月まで。この時の「福助」は、現中村梅玉です。
舞台写真は松緑の代表的な三役。
↓↓
事務局在庫、数冊あります。問い合わせは、kabukiga02@mai.goo.ne.jp まで。
この年6月に、二代目尾上松緑が亡くなったため、この号の特集は追悼記事との二本立てになっています。
特集・昭和歌舞伎回顧では、まず藤田洋氏による「菊・吉歌舞伎の検証」。菊・吉とは、「六代目」と言えばその人の姿が浮かぶ六代目尾上菊五郎と、一代でその名を大きくした初代中村吉右衛門。ともに昭和三十年代を待たずに他界しますが、その後の歌舞伎界に多大な影響を及ぼしました。
松井俊諭氏は、明治後期に人気を博し昭和初期の不遇な時代を経て戦後に再評価された七代目澤村宗十郎を論じ、小笠原恭子氏は、吉右衛門劇団の立女形であった六代目中村歌右衛門の政岡をとっかかりに初代吉右衛門の死後の歌舞伎を考察。上総英郎氏は昭和三十年代の南北劇ブームについて語っています。
特集・尾上松緑追悼では、劇評家三氏がそれぞれの視点でその芸を語り、生涯の出勤演目・役名を収めた「二世尾上松緑年譜」を掲載しました。
バラエティに富んだ研究論文の中では「歌舞伎研究とコンピューター」という表現が、その時代を感じさせます。今では電話並の普及率となったパーソナルコンピューターですが、平成元年当時はコンピューターを使用したデータベースの作成方法が論文になり得たのです。
舞台批評は平成元年6月から8月まで。この時の「福助」は、現中村梅玉です。
舞台写真は松緑の代表的な三役。
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