私は、この古家の主人を3年間、観察してきたけれど、とても変わった発想をする小父さんだと思います。何故かと言うと、網戸を作るのに、普通は、網戸に網を張り替えるのが普通だが、この、小父さんは、家の窓をぐるりと網で巻いて、その端に押しピンを何個も押して、網が取れないように、固定をしたのです。だから一度巻いたら、、網戸みたいに、取り外すことが出来ません。虫もシャットアウトするけれど、人間も、その場所から、網戸みたいに出入りが出来ないのです。まあ、短い間に、早く蜘蛛や小さい虫とおさらばしたい、この小父さんにとっては、この方法は、向いているのかもしれません。その後、この家から、奥方のぎゃーぎゃーと、言う奇声は、聞こえてこなくなりました。その点では、小父さんの勝ちかなと、蛙目線で判断しました。
"0">私が、彼に気をとられている間に、古家の主人は、せっせっと蜘蛛退治に、余念がありません。ペンキを部屋ごとに塗り終えたら、今度は、外周りの、柱や、外壁の木の部分に、ペンキを塗り、内側からと、そして、外側からと、両方で蜘蛛攻めをしていました。ペンキの匂いは、とても強烈です。しばらく、蜘蛛と言えども、この匂いは、たまりません。しばらく、大きな蜘蛛大王は、陰を潜めていました。でも、子分の連中は、まだまだ、隙間から、出入りをしていました。そこで、古家の主人は、考えました。今度は、窓がある所から、蜘蛛が入り込まないように、目の細かい網戸を購入してきて、、窓全体に、その網を取り付けてしまいました。『これで、よし。これで、蜘蛛大王や、子分達も、我が家に入り込めないだろう。』と主人は帆くそ笑みました。サアー、少し様子を見ましょう。この作戦、うまくいくかどうかは、私もゆっくりと拝見して、様子を見守ることにしました。人間の目線と、蛙目線は、違います。どのような効果があるでしょうか?主人は、大満足をしています。さアー、結果は如何に?