シャープ出身役員へ迎合と忖度、意識の甘さも
シャープ子会社における不正会計問題を取り上げた解説記事。
買収したばかりの会社で親会社による管理が浸透せず、不正会計が起きるというケースは比較的多いと思いますが、今回は逆の面があるようです。
「ではカンタツはなぜ不正に手を染めたのか。報告書はその動機や背景に関して、「経営層が事業計画の達成についてプレッシャーを与えたこと」を挙げる。
カンタツはシャープによる子会社化の前から業績が低迷しており、子会社化後はシャープから送り込まれた新社長のもと業績目標の達成が強く求められた。
報告書はさらに、シャープ出身役員への迎合・忖度があったと指摘し、「(業績目標が)未達となった原因分析やその後の挽回策について詳細説明を求められることとの負担も相まって、(中略、事業計画が)未達となる事態を回避しなければならないという雰囲気が醸成」されたと指弾している。
また、カンタツは新規株式公開(IPO)を目指しており、その方針をシャープも引き継いでいた。そのため、上場に向けて事業計画の順守も厳しく求められていた。」
ただし、IPOに関しては、独立性を重視していて、監督が甘かったと説明しているそうです。
ガバナンスに関しては...
「報告書によると、事業執行部門のトップら経営幹部がこぞって売り上げ計上基準を無視・軽視し、内部統制を無効化していた。さらに、経理財務部門から不正会計への懸念の声があがっていたのに対応せず、その後は不正を黙認していた。
不正取引について取締役会への報告はなく、監査役(会)もこうした不正を発見することができなかった。会計監査人に対しても不正は隠蔽され、一連のガバナンス機能がまったく形骸化していた点は深刻だ。」
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