東証マザーズ上場の不動産投資会社リプラスが、破産手続きの開始を申し立て、決定を受けたという記事。
アセットマネジメント事業、賃貸保証事業
東証マザーズ上場
株式会社リプラス
破産手続き開始決定受ける
負債325億7057万円
「稼働率の低いオフィスビルなどの用途転換(コンバージョン)や新築、高稼働の賃貸住宅を再生し、利回り物件として保有あるいは売却を行うアセットマネジメント事業において、当社は資産査定や投資スキームの構築・提案、ファイナンスアレンジや不動産再生に向けたプランニングなどを手がけていた。また、賃貸保証事業では滞納家賃保証システムの提供、賃貸住宅管理会社の家賃回収業務などの業務受託を手がけ、2004年12月には東証マザーズへ上場を果たした。」
これを読むと、アセットマネジメント事業に関しては、不動産の動きが止まると、すぐに影響がでるような取引形態のようです。
「不動産市況が厳しさを増すなかで資金調達環境は悪化。不動産取得に伴いSPCを含めた連結ベースでは有利子負債が6月末で約441億円と年商を大きく上回り、金利負担が増していた。こうしたなか、賃貸住宅管理会社の家賃回収業務において、7月31日および8月1日において、不動産オーナーに対して送金の遅延が発生、8月29日においても送金遅延が発生し、動向が注目されていた。」
倒産した他の不動産会社と同じような原因のようです。
ただ、いきなり破産というのは珍しいケースかもしれません。
破産手続開始決定のお知らせ(PDFファイル)
「積極的に不動産私募ファンド事業を拡大」させていたが、「ファンドの活動が不活性化し、当社が受け取れるフィー収入が大幅に低下」してしまったという点は、破綻の原因として理解できるのですが、その他に「レントゴー事業」といっている取引で躓いた面があるようです。
「レントゴー事業においては、将来債権を証券化することで、設備投資をまかなっておりましたが、引受証券会社の説明では、証券化市場の混乱の影響を受け当該証券化商品の販売が行えない状況となり、調達が行えなくなる一方で、返済だけは行わなければいけない状況になりました。」
家賃保証事業と関係があるようなのですが、将来テナントから入金するであろう未発生の家賃、あるいは、将来オーナーからもらう保証料を証券化して資金調達していたということなのでしょうか。プレスリリースでは「レントゴー事業につきましては、・・・不動産賃借人、不動産賃貸人の皆様や不動産管理会社の皆様の不安定な状態を早期に解消されるよう進められていく予定」といっています。
平成20年12月期中間決算短信(PDFファイル)
前年同期と比べると棚卸資産が極端に増えています。増えた分は、匿名組合預り金、借入金、社債でまかなっています。
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