会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

年金資産、運用会社で一部消失か(ロイターより)

年金資産、運用会社で一部消失か(共同通信配信)

「日本アジア・アセット・マネジメント」という資産運用会社が受託した年金資産が消失した可能性があるという記事。

「資産運用会社「日本アジア・アセット・マネジメント」(東京)が、東京の厚生年金基金など2団体から受託した年金資産約9億円の運用解約に応じられない状態になっていることが28日、市場関係者への取材で分かった。一部は消失した可能性があるという。」

「市場関係者によると、マネジメント社は年金基金と投資一任契約を結んで英ファンドの商品を購入し、受託した年金資産を運用していた。」

別報道によれば、この会社は日本アジアグループ(監査人は新日本) の金融子会社だそうです。

ロイター記事でもふれていますが、証券取引等監視委員会から処分勧告が出ています。

日本アジア・アセット・マネジメント株式会社に対する検査結果に基づく勧告について(金融庁)

当初、外国投資法人Aが発行する証券に投資していましたが、その後、外国投資法人Bが発行する証券に乗り換えています(いずれも、海外のX社が運用)。X社とは連絡が取れない状況が長期間継続し、また、外国投資法人Bの実態もわからなくなっているそうです。

「当社は、平成21年9月、甲年金基金との投資一任契約に基づき、当社が設定した投資信託を通じて、海外に所在するX社が運用する外国投資法人Aの発行する投資証券(以下「外国投資証券A」という。)に投資している。なお、外国投資法人Aは、米国の生命保険証券を主要投資対象としている。

また、当社は、平成22年11月、乙年金基金との投資一任契約に基づき、外国投資証券Aに直接投資している。」

「X社は、外国投資証券Aの保有者に対し、外国投資法人Aの主要投資対象である米国の生命保険証券をX社が運用する外国投資法人Bに移管した上で、外国投資法人Bが発行する投資法人債券(以下「外国投資法人債券」という。)又は投資証券へ乗り換えることを提案した。当社は、両基金に対し、外国投資証券Aを解約し、弁済順位の高い外国投資法人債券に乗り換えることを助言し、平成26年11月、両基金の同意を得た上で外国投資法人債券への投資を執行している。」

「当社は、外国投資証券Aへの投資に関し、当該再発防止策において年次で継続的に実施するとしていた、投資一任契約において運用している金融商品の運用状況及び運用委託先の運用体制に関するモニタリングを行っていない状況を継続していた。

特に、外国投資法人Aの決算書における純資産価額(以下「NAV」という。)とX社が算出したNAVが相違しているにもかかわらず、当社は、当該NAVの妥当性に対する検証を行っていなかった。

また、当社は、外国投資法人債券への乗換時における外国投資法人Bの信用リスクや生命保険証券の移管リスト等の調査・確認を行わないまま両基金に乗換えの助言を行い、外国投資法人Bの決算書におけるNAVについても、外国投資法人Aと同様の状況にあったにもかかわらず、NAVの妥当性を検証していなかった。

さらに、X社と連絡が取れない状況が長期間継続していたにもかかわらず、何ら対応を行っていなかった。

なお、外国投資法人Bは、2015年11月期の決算書において監査法人から不適正意見が付されるなど、不透明な運用実態となっている。」

当社子会社に対する勧告について(日本アジアグループ)(PDFファイル)

証券取引等監視委員会、日本アジアグループの金融子会社を対象に行政処分勧告(NewsInMarket)
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