循環取引によって、昭和電工孫会社から13億円をだまし取った容疑で、会社経営者(69歳)らが逮捕されたという記事。
「2017年までの6年間に、商品の取引がないのに帳簿上はあったように装って資金だけを回す「循環取引」により約176億円分の取引が行われ、最終的に約8億4千万円が回収不能になったという。同庁は、Y容疑者が自分の会社の運転資金に充てようと架空取引を繰り返し、自転車操業に陥ったとみている。
捜査2課によると、逮捕容疑は16年11月~17年1月、Y容疑者が経営する研削材販売会社が中国から化学原料の炭化ケイ素を輸入して販売すると偽り、昭和電工の孫会社「ビー・インターナショナル」(18年解散)から約13億円を詐取したというもの。」
「ビー社の親会社の監査で発覚し、17年2月に取引を停止した。」
架空循環取引の動機はさまざまでしょうが、このケースは、資金繰りをつけるためだったようです。
架空取引がよくないものであることは明らかですが、だまし取るつもりはなくて、あとで代金支払い名目で返すつもりだったという場合でも、やはり詐欺なのでしょうか。
仕入代金の支払いと売上代金の回収のタイミングが完全に一致するのでない限り、商品販売には金融の要素が含まれているわけであり、簡単には割り切れないような気もします。
昭和電工孫会社から13億円詐取疑い 会社役員ら逮捕(日経)
「捜査2課によると、循環取引の流れはビー社が炭化ケイ素をY容疑者の研磨材販売会社から購入し、同容疑者が経営する別会社に価格を上乗せして転売。別会社からビー社側に代金が支払われるというものだった。
炭化ケイ素が実際に輸入された形跡は無く、Y容疑者側からビー社への支払いは3カ月後となっていた。同課はY容疑者が会社の運転資金を確保するため、取引のスキームを考えたとみて捜査を進める。
ビー社の親会社である昭光通商の監査で16年11月に不正が発覚。」
架空取引で13億円だまし取ったか 会社経営者ら逮捕(Yahoo)(音声が出ます。)
「Y容疑者は「取引が架空であったことは被害者も知っていたので、詐欺ではない」と容疑を否認しています。」
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