日本でゾンビ企業が急増、日銀政策正常化なら一層困難な状況にも
国際決済銀行(BIS)の定義に基づく「ゾンビ企業」が急増しているという記事。
「帝国データバンクが19日公表した調査によると、国際決済銀行(BIS)の定義に基づく資金繰りが困難な「ゾンビ企業」は2022年度に25万1000社と、前年度から約30%増加した。東日本大震災が発生した11年度に次ぐ多さで、ゾンビ企業の比率は17.1%に上昇したという。」
「本業の利益や配当金などで借入金の利払いをまかなえない」のをゾンビ企業というそうです。インタレストカバレッジレシオが1未満の企業ということでしょう。
背景は...
「ゾンビ企業急増の一因に、コロナ禍で政府や日銀が大規模な金融支援を実施した影響もある。日銀が2007年以来の利上げに動けば、こうした企業の財務状況は厳しさを増す恐れがある。...
コロナ禍では、長期にわたって日本経済に悪影響を及ぼす企業倒産や解雇を避けるためにさまざまな措置が講じられた。政府は実質無利子・無担保の融資を約260万件(45兆円相当)実行。日銀によるコロナ融資プログラムはピーク時の残高が100兆円近くに膨らんだ。」
といって、こういう融資を行っていなければ、もっとひどいことになっていたかもしれません。
「ゾンビ企業」25万1000社に急増、 2011年度に次ぐ2番目の多さ(Yahoo)(帝国データバンク配信)
帝国データバンクは、全数調査したわけではなく、「2022年度の財務データが判明している「3年連続でICRが判明、かつ設立10年以上」の企業」10万1478社を調べたそうです。
「「3年連続でICRが1未満、かつ設立10年以上」の企業は1万7387社を数え、この2つの数値をもとにゾンビ企業率を算出すると17.1%にのぼることが判明した。」
この率を帝国データバンクのデータベースの対象件数に当てはめて、ゾンビ企業数を出したようです。
「2022年度のゾンビ企業率17.1%を、帝国データバンクが保有する企業概要データベース「COSMOS2」収録の約147万社を母集団として当てはめると、2022年度のゾンビ企業数は約25万1000社と推計された。集計開始の2007年度以降で、2011年度(約27万4000社)に次いで、2番目の推計社数となった(2010年度と同数)。」
「ゾンビ企業」3割増25万社 22年度、ゼロゼロ融資余波(日経)(記事冒頭のみ)