会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

FUNAI GROUP株式会社 船井電機(株)の持ち株会社 破産手続きにおける保全管理命令受ける 負債258億9200万円(帝国データバンクより)

倒産した船井電機をめぐり新たな動きがあるようです。

まず、船井電機の持株会社、FUNAI GROUP(株)(旧:船井電機・ホールディングス(株)、10月31日商号変更)が、債権者より破産を申し立てられ、11月21日に東京地裁より破産手続きにおける保全管理命令を受けたとのことです。

FUNAI GROUP株式会社 船井電機(株)の持ち株会社 破産手続きにおける保全管理命令受ける 負債258億9200万円(2024年12月3日)

秀和システムホールディングスによる公開買い付け以降の経緯。

「2021年5月に(株)秀和システムホールディングス(2022年4月に当社へ吸収合併)による当社株式の公開買い付けが成立し、同年8月26日付で上場廃止。2023年3月には、別途設立した船井電機(株)(TDB企業コード:056063491)へ会社分割にて主要事業を承継させていた

その後、脱毛サロンチェーン運営会社を買収していたが、1年足らずで撤退。2024年3月以降は役員の入れ替わりが相次ぎ、同年9月には代表者にも変更が生じていた。さらに、10月に入り、脱毛サロンチェーン運営会社のネット広告代金の未払いについて、当社が連帯保証を行っていたことを広告会社が明らかにしたことで、信用不安が拡大。同月24日には子会社の船井電機(株)が東京地裁より破産手続き開始決定を受けるなど、当社の動向が注目されていた。」

船井電機倒産の謎の解明には、親会社であるこの会社の実態も調べないといけないでしょう。破産手続に入ることで、それが期待できます。

その他の動き。

船井電機、登記変更と即時抗告と民事再生(2024年12月2日)(東京商工リサーチ)

関連会社の動き。

「船井電機の破産申立書によると、国内に関連会社は18社ある。このうち、美容・健康関連事業を手がける(株)エピソワ(TSR企業コード:696325098)の代表取締役がA氏に変更された。登記日は11月11日だが、就任日は10月24日となっている。また、11月21日を登記日、移転日を10月24日として、登記上本社を港区台場2-3-5から大田区蒲田5-28-4へ移転している。A氏は、電子決済サービス「Cポン」などを扱うKOC・JAPAN(株)(TSR企業コード:134509072)の代表取締役だ。また、エピソワの前住所は、脱毛サロン「ミュゼプラチナム」運営のMPH(株)(TSR企業コード:036547190)と同所だ。

代表変更も移転の登記日付はともに、船井電機の破産開始決定日(準自己破産申請日)と同一だ。」

破産への対抗。

「船井電機の破産開始決定を巡っては、10月29日に決定取り消しを求めて東京高裁に即時抗告が申し立てられている。この度、この内容が判明した。

即時抗告申立書の申立人欄は、「船井電機株式会社・代表取締役原田義昭」となっている。

このなかで、抗告人(原田氏)は、船井電機は支払い不能でも債務超過でもないため、破産開始の要件を満たしていないと主張している。」

船井電機の管財人は、これに対し、東京高裁へ意見書を提出し、即時抗告の棄却を求めているそうです。

抗告人の方は、さらなる資料を提出したそうです。破産申立ての申立て人である取締役・船井秀彦氏は、登記上は10月15日に解任されたことになっているそうです(ただし、登記日は11月14日)。

「さらに抗告人は11月22日、準自己破産は申立人の要件を満たしていないとの追加資料を東京高裁に提出している。

10月24日に東京地裁に提出された破産申立書の申立人欄は「債務者・船井電機、債務者取締役・船井秀彦」と記載されている。

しかし、12月2日午前10時時点で閲覧できる船井電機の商業登記によると、船井秀彦氏は10月15日付での解任が11月14日に登記されている。なお、原田義昭氏は10月27日付での代表取締役への就任が11月14日に登記されている。」

民事再生法適用申請について。

「こうしたなか、原田義昭氏は12月2日、東京地裁に船井電機の民事再生法の適用を申請する書類を提出した。」

倒産・注目企業情報 船井電機(株)(2024年12月2日)(東京商工リサーチ)

「10月24日、東京地裁より破産開始決定を受けている船井電機(株)(大東市)に対して12月2日、東京地裁へ民事再生法の適用を申請する書類が提出された。」

12月2日に(大阪ではなく)都内で記者会見を行ったそうです。

船井電機への民事再生、原田義昭氏が会見(2024年12月2日)(東京商工リサーチ)

「会見の要旨は以下の通り。
・10月24日の準自己破産は船井秀彦氏が取締役の資格においてなされたが、船井氏は10月15日にみなし株主総会決議により解任されており、破産法上の形式要件を欠いている
・船井電機は子会社や孫会社の支配を通じて得た収益で負債の弁済を予定しているため、単体の財務内容のみで債務超過か否かを判断するべきではない。
・再生の方針ついて、重荷となっているAV事業は売却する。市場ニーズの高い蓄電池事業や消火器事業などを展開したい。
・民事再生について、本日午前中に東京地裁へ申請した。受理されているとの認識だが、事件番号は申請時点では通知されていない。本日中に(事件番号は)付くのではないか。」

船井電機会長の原田氏「蓄電池事業などで再建目指す」(日経)

「――準自己破産を地裁に申請した取締役を申請前に解任したとの主張ですが、それではなぜ申し立てが地裁に認められたのですか。

「はっきりしない部分もあるが、取締役間の連絡不足がある。10月15日のみなし株主総会で解任したが本人に伝わるのが遅かった。(破産を申し立てた)取締役と齟齬(そご)はあったと思う。手続きとして(解任を)登記したかどうかはっきりしないまま10月24日を迎えた。そんなことはあってはならず、ガバナンスの責任を感じている」

――準自己破産を申し立てた取締役を解任する理由はなんですか。

「知っている限りでは、9月末に(船井電機の)代表取締役が代わり、代表権の登記の際に多少の争いがあった。それが関係しているが、外に言えるような話ではない

――解任はいつ誰が取締役本人に伝えましたか。

「誰が伝えたかは、つまびらかではない。時期は破産申請の前に伝えた」」

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