会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

サステナ保証、倫理基準策定へ 企業の開示情報に「お墨付き」(日経より)

サステナ保証、倫理基準策定へ 企業の開示情報に「お墨付き」

国際会計士倫理基準審議会(IESBA)の議長に、サステナ情報の保証業務提供者の倫理基準の策定について話を聞いた記事。

「サステナビリティー(持続可能性)への企業の取り組みに関する情報の信頼性を高める基盤づくりが動き始めた。会計士の倫理基準を手掛ける国際組織が、サステナ情報に「お墨付き」を与える保証業務の提供者が守るべき倫理基準を策定する。会計士以外にも適用できるものにする。保証の品質を高めて投資家などが安心して情報を参照できるようにする。

国際会計士倫理基準審議会(IESBA)のガブリエラ・フィゲイレード・ディアス議長が日本経済新聞の取材に応じて「会計士以外とも緊密に連結して倫理基準を策定する」との考えを示した。」

サステナビリティ情報に関する基準、その情報を保証する業務の基準、保証業務実施者の倫理基準(主として独立性の基準でしょう)という3つの分野の基準が,現在検討されているわけですが、その最後の基準の話です。保証業務は会計士だけがやるわけではなく、他の専門職が実施することも想定されています。

「現状では世界のサステナ保証業務は6割弱を会計事務所が、残る4割強を国際標準化機構(ISO)認証機関など会計事務所以外が担っており、IESBAは会計士以外も含めて専門職にとらわれない基準づくりに乗り出した。

IESBAは公開草案を2023年末までに、最終基準を24年末までにそれぞれ承認する計画で作業を進める。詳細は今後詰めるが「監査に求めるのと同等の頑丈な基準にする」(ディアス議長)方向。」

国際会計士倫理基準審議会のつくる基準は、日本では、基本的には、日本公認会計士協会の倫理規則に反映させる形で適用されます。記事では、会計士協会の常務理事が、協会が会計士以外の保証業務提供者に対して倫理規則を強制することは難しいというコメントを述べています。協会のルールが適用されるのは、会計士と監査法人だけですから、記事の最後でいっているように、監査法人のグループ会社を含め、会計士・監査法人以外に適用させるためには、別の制度が必要になりそうです。(現行でも、監査事務所のネットワークファームが規制対象となる場合がありますが、それはあくまで会計士・監査法人が報告書を出す保証業務に限られます。)

証券監督者国際機構(IOSCO)が、国際会計士倫理基準審議会に要請して基準づくりをやらせているようですから、日本では、IOSCOに加わっている金融庁が何か考えるのかもしれません。

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