裏金が発覚した長崎県で、1999年の包括外部監査で備品購入・管理の手続不備が指摘されていたという記事。
具体的には以下のような事項が見つかったそうです。
1)出納簿の記載の不備、物品整理票の不備、管理すべき物品の把握もれなど多数。
(2)台帳と現品との照合は全く行われていない。
(3)同一工事や物品購入を多数の30万円未満の発注に分割して随意契約している。
(4)明らかに同一業者が他社の相見積もりも作成したと見られるものがあった。
(5)他の費目で購入し、備品として管理されていないパソコンが多数発見された。
(6)リースや賃貸借を装った実質的には購入取引が多数あった。
(7)物品調達基金の調達事務は年間22億円の41%が3月に集中している。
(8)庁用管理特別会計の各部署への負担金徴求に将来の費用が含まれており不適切である。
どの官庁・地方自治体でも、これほどひどいわけではないのでしょうが、民間企業に厳しい内部統制を求めながら、税金を使っている組織がこういう状態では困ります。
単に公金の管理が不備というだけでなく、官庁における支出の管理のずさんさにより、官庁と取引をしている民間企業の内部統制にも悪い影響が及びます。例えば、官庁が裏金づくりのため架空の取引を仮装し、 事実でない書類を発行した場合には、取り引きしている企業がそれに合わせて、架空売上を計上しても発見できなくなってしまいます。
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