「企業の減価償却費は、日本の法人税制ではこれまで優遇されてきた。その意味を解説すると、インフレの下で購入した機械は、10数年かけて減価償却してそれを現金でためても、買い替えるときには値上がりしていて、投資採算は悪くなる。だから、加速度償却など減価償却で早期に償却できるようにして税負担を軽減することで、投資採算を良くした。しかし、デフレ下では、機械は値上がりせず、そうした必要性はない。減価償却で法人税を減免しても、投資が促されるとは限らない。
・・・税法上の減価償却費の圧縮は、デフレ脱却までの間の企業の設備投資への悪影響が小さい上に、税率引き下げによる成長促進効果が期待できる点で整合的である。・・・」
デフレ下でも、税務上の減価償却が早期に行われれば、投資の回収も税金分だけ早くなるという効果が生じるという点では同じだと思われます。しかし、インフレ下ほど、その必要性は乏しく(デフレ→低金利→時間価値の影響小、というルート?)、また、投資促進の効果も疑わしいのかもしれません。
政府税調の定額法への統一という方向にそった考え方ではあります。
消費増税後の日本経済
法人税改革の課題は 慶応義塾大学教授 土居丈朗(日経)(有料記事)
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