会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

FBIが逮捕した「オリンパス不正人脈」の裏側(FACTAより)

FBIが逮捕した「オリンパス不正人脈」の裏側

オリンパスの粉飾に関与した海外の金融関係者の逮捕について取り上げたコラム記事。

「この元銀行幹部チャン・ミン・フォン容疑者は日本語が堪能で、業績不振の上場企業を「ハコ」に使った日本の事件で何度も捜査線上に浮かんだが、香港やシンガポールなど海外を拠点にしているため、日本の捜査当局も身柄を押さえられなかった。ところが12月20日、ロサンジェルスに立ち寄ったところをFBIに逮捕されたのだ。・・・

FACTAの取材では、オリンパスの隠れ損失処理に加担したチャン容疑者運営のファンド(ネオ・ストラテジック・ベンチャー、ダイナミック・ドラゴンⅡ)の背後には、オリンパス第三者委員会の調査報告書にも名前が挙がらなかった日本人金融マンMがいるとの疑いがあった。Mはジェイ・ブリッジ(現アジア・アライアンス・ホールディングス)やトランスデジタル、小杉産業、タスコシステムなどで投資家を手玉に取った経歴がある。

第三者委員会の調査報告書によると、チャン容疑者が受け取った報酬は約13億7000万円に上るが、その一部がMに渡ることはなかったのか。ジェイ・キャピタル・マネジマントの投資家に訴えられて東京地裁に出廷したMは、周辺にこの2ファンドは「チャンのもので、自分は関係ない」と主張している。・・・

日本の捜査当局は英米よりも捜査への着手が遅れながら、捜査の範囲を狭めて一番早く捜査を終結させてしまった。米国でチャン容疑者の裁判が始まれば、オリンパス事件は真相解明に向けてさらに深々とえぐられることになるだろうから、内心ひやひやしている関係者も多いことだろう。チャン容疑者の場合、有罪なら最長で懲役20年と長い。ファンドのオーナーのような新たな関与者の存在が司法取引で明らかになるかもしれない。」

粉飾はやった会社が悪いのは当然ですが、粉飾に協力していた外部の専門家についても厳しく調べてほしいものです。粉飾を防止する効果もあるでしょう。

今回の逮捕とは直接の関係はありませんが、事件に関係していた会計士についてもふれています。

「さらに最近になって分かったのは、会計士の腐敗である。オリンパスの不正会計に現役の公認会計士が悪知恵をつけており、この会計士はその後、オリンパスの面倒を見ていた監査法人傘下の経営コンサルティング会社に転職した。オリンパスの監査法人は今回の事件で散々な目にあったのだが、実はそのお膝元にお行儀の悪い会計士を抱えていたのである。」

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