投信協会が警告、エスコンリート「さらなる不正」
鑑定評価で法令違反の疑いが新たに発覚した
親会社からの購入物件の不動産鑑定評価をめぐって、金融庁から7月に行政処分を受けたエスコンアセットマネジメントは、投資信託協会からも法令違反の疑いを指摘されていたという記事。
「関係者によれば、投信協会は2021年6月からエスコンAMへの立ち入り検査に入った。調査の過程で種々の法令違反の疑いが確認されたため、エスコンAMに調査結果を通知するとともに、2022年1月末までに改善策を報告するよう求めた。
報告書の中では「金融商品取引法」などに抵触する行為が列挙されているが、注目すべきは「不動産鑑定業者への不適切な働きかけ」という項目だ。3物件の取引に際して、エスコンAMが鑑定会社に対し親会社である日本エスコンの希望売却価格を伝えていたと投信協会は指摘している。」
3物件のうち1件は金融庁処分の対象でしたが、あとの2件は処分の対象となっていない案件だったそうです。
パレマルシェ西春という物件については...
「西春は当時、食品スーパーのオークワが1棟借りをしていた。だが、店舗の売り上げが振るわず、オーナーである日本エスコンに賃料減額を要望していた。エスコンAMはオークワの苦境を把握していたにもかかわらず、鑑定会社に対して、オークワの売り上げ実績を開示しなかった。
一般に、商業施設の賃料はテナントの売り上げが参考指標となる。同じ売り場面積でも高い売り上げが期待できる施設ほど、高い賃料を設定できるためだ。エスコンAMにとって、オークワの売り上げが伸び悩んでいる事実を鑑定会社に開示すれば、西春の評価額が下がる可能性があった。」
「オークワは2022年4月20日の契約満了をもって西春を退去している。」
「フジグランナタリー」という物件については...
「エスコンAMは2021年5月、REITがフジを39.5億円で取得することで日本エスコンと内諾した。実は、この時点では鑑定会社からの評価を得ていなかった。エスコンAMが鑑定会社から評価を得ることを決定したのは同年6月末。評価を得るどころか、鑑定会社に依頼さえしていない状況で、REITに取得させることを決めていた。」
投資家に対する責任よりも、親会社への忖度を優先させていたのでしょう。