サムスングループの「サムスンバイオロジクス」の粉飾決算問題で、韓国検察が同社や韓国取引所を家宅捜索したという記事。
「検察がサムスンバイオを家宅捜索するのは2018年12月以来。ソウル中央地検の係官らが14日にサムスンバイオやサムスングループの建設会社、システム会社に入り、内部資料を押収した。検察は14日夜から15日にかけて韓国取引所も捜索した。
一方、サムスンバイオは15日、金泰漢(キム・テハン)社長らの名義で「過去に適時開示した資料を見直した結果、重要事項について記載漏れや虚偽の記載は無かった」と反論した。金融当局は昨年11月、同社の15年の会計処理を「故意の粉飾」と認定している。
サムスンバイオは同年に米製薬大手との合弁会社の株式評価を簿価から時価に変え、会計上の利益を計上したことが問題視されている。14年通期の決算が赤字だったサムスンバイオは15年通期に黒字転換。16年11月には韓国取引所に上場した。」
日本と違って、検察の捜索があったからといって、すんなり虚偽記載を認めたりしないようです。
当サイトの関連記事(当局が粉飾を認定したとき)
その2(当局による調査結果発表時)
問題の合弁会社が、合弁の相手先の出資比率引き上げにより、子会社から関連会社に変更された際に評価替えを行って利益を出したことが問題になっています。
検察、サムスンバイオに対する捜査を再開…サムスン経営権継承との関連性の調査も(ハンギョレ新聞)
「昨年11月、金融委員会証券先物委員会(証先委)は、サムスンバイオを故意の粉飾会計の疑いで検察に告発した。当時証先委は、サムスンバイオが2015年、子会社のサムスンバイオエピスを従属会社から関係会社へと会計処理基準を恣意的に変更したのが、故意の粉飾会計に当たると判断した。証先委は粉飾会計の規模を約4兆5千億ウォン(約4420億円)と見ている。
特に、今回の強制捜査に含まれたサムスン物産のオフィスが、かつての未来戦略室出身の社員らが主に使っている場所である点が目を引く。検察がサムスンバイオの粉飾会計とサムスン電子のイ・ジェヨン副会長の経営権継承作業の関連性を調べていることが分かったからだ。
サムスンバイオの粉飾会計は、イ・ジェヨン副会長の経営権継承と関連があると疑われている。サムスンバイオの企業価値が上昇するに伴い、親会社だった第一毛織の価値も高まったためだ。2015年、サムスン物産と第一毛織の合併当時、株式交換の比率はサムスン物産が1、第一毛織が0.35だった。当時の合併により、イ副会長はサムスン物産の筆頭株主になり、グループ全体に対する支配力が増した。未来戦略室はかつてサムスンの司令塔の役割を果たしていたことで知られている。」
本当に粉飾だとしたら、大きな粉飾金額です。会計処理としては、間違ってはいないようにも思われますが、キャッシュを伴わない利益のようですから、いろいろな細工は可能だったのかもしれません。
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