2024年2月20日開催の企業会計基準委員会の議事概要や会議資料が公開されています。
議題のうち、「公開草案「中間財務諸表に関する会計基準(案)」等に寄せられたコメントへの対応」では、金融庁の課長が登場して、適用初年度の比較情報の扱いに関して、方針を述べたようです。
「金融庁企画市場局 野崎企業開示課長より、中間会計基準の適用初年度における比較情報の取扱いについては、中間会計基準の公開草案で提案されている経過措置によって従来の四半期会計基準の会計処理をそのまま継続することが可能となるため、比較情報を不要とする附則は設けないことを予定しているとの説明がなされた。これに関連して、中條常勤委員及び山田専門研究員より、公開草案に寄せられた適用初年度の比較情報の取扱い及び四半期と中間の会計方針の継続性等に関するコメントへの対応について説明がなされ、審議が行われた。」(議事概要より)
従来の四半期会計基準による前期の数字と、新しい中間会計基準による当期の数字を、それぞれ別々の会計基準に準拠した数字なのに、そのまま比較情報として並べていいのかという問題なのでしょう。
会議資料によると、3つの考え方があるのだそうです。
「4. 適用初年度の前中間会計期間の財務情報の開示については、従前の四半期報告書制度と改正後の金融商品取引法における半期報告書制度の関係をどのようにとらえるかにより、次の 3 つの方法が想定される。
(1) 比較情報として適用初年度の中間財務諸表に対応する前中間会計期間の財務情
報として開示する方法
(2) 参考情報として前年度の第 2 四半期の財務情報を開示する方法
(3) 適用初年度は前年度の開示を免除する方法」
資料では、これらのうち比較情報として開示する方法を詳しく検討しています。
事務局は、「適用初年度において開示対象期間の中間財務諸表等に中間会計基準を遡及適用すると定めることでどうか」と提案しています。本公開草案は、基本的に四半期会計基準・適用指針の会計処理及び開示を引き継ぐこととしているので、企業が自主的に前年度の四半期において適用していた会計方針と異なる会計方針を中間期間において適用しない限り、遡及適用しても、追加的な実務負担は生じないという考え方のようです。