【スクープ】松井一郎・前大阪市長の資金管理団体に政治資金規正法違反疑惑 辞めた会計責任者の署名・捺印を「勝手にやった」
「松心会」という前大阪市長の資金管理団体に政治資金規正法違反疑惑があるという記事。
松井氏の父親の代からの会計責任者(維新ではなく自民の支持者)がやめた後も、長期間にわたり、その名前を勝手に使って、収支報告書に署名・捺印していたそうです。
「A氏は大阪市で建設会社を営む地元の名士で、松井氏の長年の後援者として知られていた。だが、本誌が取材を申し込むと、会社の担当者が「松心会の会計責任者はすでに辞めたはずだ」と言い出した。どういうことか。
「松心会は大先生(松井氏の父で大阪府議会議長を務めた松井良夫氏)の時代からあって、うちはその頃から支援していたから、会計責任者を頼まれて引き受けていました。
しかし、息子の一郎さんが維新を立ち上げて自民党を出て行った以降は、うちは自民党支持のため、支援をやめていた。その時点で、会計責任者も辞めた認識でいました。付き合いでパーティーには顔を出すけどその程度だったので、指摘を受けて社長本人(A氏)もビックリし、怒って松井事務所に『どういうこっちゃ』と連絡したところです。ハンコは預けたままになっていたもので、署名は事務所が代筆したものでしょう。こちらは全く知りませんから」(同前)」
松井事務所は、政治資金規正法上の問題はないといっているそうです(ただし、今後、会計責任者の変更を行なう予定)。しかし、これが許されるなら、例えば、会計士協会会長の名前を勝手に使って、会計責任者にすることもおとがめなしでは(署名のお手本は監査報告書)。
特に何か意図があったわけではなく、単にずさんなだけだとは思いますが。
読売も週刊誌の後追いをしています。
松井一郎・維新前代表の資金管理団体「松心会」、会計責任者の署名を職員代筆…同意得ないまま(読売)
「政治資金規正法は、収支報告書の提出義務を会計責任者に課す。報告書には会計責任者が署名する欄があり、団体の説明によると、担当者が約20年前から署名を代筆し、男性名義の印鑑を押していた。
男性側は今年4月末頃、外部からの指摘で、毎年作成する報告書の署名欄に自身の名前が記されていることを確認。団体に対し、過去に会計責任者を辞職すると伝えていたと説明した。
本人の同意を得ずに署名し、報告書を提出した場合、同法の虚偽記載に当たる可能性がある。」
同意さえあれば、代筆の署名でも有効ということでしょうか。
(補足)
ポストによるさらに詳しい記事。偽造疑惑の「宣誓書」の写真もあります。
松井一郎氏の政治資金収支報告書”偽造疑惑”で見える「代筆」「勝手に捺印」の根深い問題 過去には寺田稔・前総務相が辞任(NEWSポストセブン)
収支報告書や宣誓書の趣旨は...
「政治資金規正法の趣旨は、政治家(政治団体)が誰からいくらの政治資金を集め、どのように使ったかの資金の流れを透明にすることにある。使途を厳しく制限していない代わりに、資金の流れを明らかにすることで、集め方や使い方が妥当かどうか、国民がチェックできるようにするためだ。
たとえば、政治家が集めた政治資金で銀座で豪遊しようが、ブランド物を買い漁ろうが、「政治活動のために必要な支出だ」といえば禁止はされていない。しかし、使途は公表されるから、“あのセンセイは我々が寄附した金を銀座で使ったのか”と後でわかるようになっている。使途が妥当かどうかは国民個々の判断に委ねられる。
だからこそ、政治資金収支報告書は正確でなければならず、「虚偽記載」などの行為には厳しい罰則が定められている。その政治資金収支報告書の正確性を担保するため、同法は政治団体の会計責任者に重要な責任を負わせている。
具体的には、政治家(政治団体の代表など)や秘書が寄附を受けたり、お金を使った場合は、7日以内に会計責任者に明細書や領収証を提出しなければならない。そして会計責任者は全ての資金の出入りを会計帳簿に記録し、収支報告書を総務大臣ないしは選挙管理委員会に提出する義務を負う。
だから収支報告書には必ず〈この報告書は、政治資金規正法に従って作成したものであって、真実に相違ありません〉という会計責任者の署名捺印入りの宣誓書が添えられている(代表者は宣誓しなくて良い)。」