会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

パナHD、液晶子会社解散 5800億円債権放棄(産経より)

パナHD、液晶子会社解散 5800億円債権放棄

パナソニックホールディングスが、子会社「パナソニック液晶ディスプレイ(PLD)」を解散し、特別清算手続きを始めるという記事。巨額債権放棄を行うそうです。

「パナソニックホールディングス(HD)は液晶パネル生産撤退に伴い、兵庫県姫路市の子会社「パナソニック液晶ディスプレイ(PLD)」を解散し、特別清算手続きを始めると31日、発表した。5800億円の債権放棄を実施する。」

「PLDの前身会社は平成22年、テレビ向け液晶パネルの生産を開始。韓国や中国勢との価格競争にさらされ28年にテレビ向け生産を終了し、車載や産業用に特化していた。」

連結子会社(PLD)の解散(特別清算)と、連結子会社(PEMJ)における債権放棄および連結通期業績予想の修正に関するお知らせ(PDFファイル)

「(3) PLD 解散と債権放棄に至った理由

当社は、2008 年 8 月に PLD の前身である株式会社IPSアルファテクノロジを連結子会社とし、2010 年より姫路工場においてテレビ用・ICT 用液晶パネルの生産を開始、同年 10月に PLD を設立し、事業を推進してまいりました。その後、激烈な価格競争を受けて車載・産業分野向けへと注力市場を転換いたしましたが、米中貿易摩擦等による市況悪化の影響が車載・産業分野にも波及し、事業継続は困難であると判断し、2019 年 11 月に生産終了を決定2023 年 3 月末で PLD の事業活動を停止いたしました。

2023 年度に入り、PLD が所有する資産(兵庫県姫路市の工場等)の処分・移管が完了する見込みとなったことから、PLD の解散及び特別清算開始の申立てを行うとともに、PEMJ の PLD に対する債権を放棄することといたしました。」

連結の税効果会計でプラスの影響が出るようです。

「本件に伴い、連結決算上の繰延税金資産の回収可能性を検討した結果、2023年6月末の連結財務諸表において、PLD に対する投資に係る一時差異が予測可能な期間内に解消する可能性が高くなったことにより、法人所得税費用の減少(繰延税金資産の計上等)1,213 億円認識いたしました。」

信用調査会社による倒産記事。

パナソニック液晶ディスプレイ(株)2023/07/31 兵庫 製造業 液晶ディスプレイ製造 特別清算申請へ
負債総額約6263億6500万円
(東京商工リサーチ)

「2004年10月、当時の(株)日立ディスプレイズ(2013年4月に(株)ジャパンディスプレイへ商号変更)の出資により(株)日立液晶TVディスプレイの商号で設立された。2005年1月に(株)日立製作所(千代田区)、(株)東芝(東京都港区)、松下電器産業(株)(商号は当時)による合弁会社として正式に発足した。

広い視野角を特徴とするIPS方式の液晶パネルの開発製造、保守サービスを手掛け、2008年3月期には売上高約1523億9300万円をあげていた。しかし、激烈な価格競争を受けて赤字が続き、2009年3月期には債務超過に転落した。」

パナソニック液晶ディスプレイ株式会社(兵庫)が特別清算申請へ、負債は今年最大の約5800億円(Yahoo)(帝国データバンク配信)

「激烈な価格競争を受けて車載・産業分野向けへと注力市場を転換したが、米中貿易摩擦等による市況悪化の影響が車載・産業分野にも波及。さらに海外の液晶パネルメーカーとの激しい価格競争により、設立以降、黒字化することはなく100億円を超える赤字が続いていた。事業継続は困難であると判断し、2019 年11月に生産終了を決定、2023 年3月末で事業活動を停止していた。」

日本のエレクトロニクス産業が世界の最先端だった時代もあったのですが...

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