駒沢大学が資産運用で始めたデリバティブ取引で、150億円を超える損失を出していたという記事。
「大学の説明によると、問題のデリバティブ取引は、主に金利などを交換する「金利スワップ」と「通貨スワップ」の2種で、昨年度、外資系金融機関2社と契約したという。契約額は、日本円で約100億円だった。(中略)
ところが、昨年後半以来の金融危機などで時価が一気に値下がり。今年3月末の昨年度決算時点で、評価損は53億円を超えた。その後も含み損は増え続けたため、結局、先月で取引を解約、損切りすることに決めたという。確定した損失額は約154億円。」
ヘッジ目的ではなく純粋に投資目的のデリバティブであれば、当然時価評価になるので、記事に書かれているとおりだとすると、2008年3月期決算で53億円超の損失を計上し(計上しているはず?)、さらに、当期に100億円の損失を計上することになります。
「日本私立学校振興・共済事業団によると、05年度の集計では、全国約650の大学・短期大学のうち、少なくとも75大学がデリバティブ取引を行っていた。」
学校法人監査担当者にとっては、当期の要注意ポイントでしょう。
「同大の関係者は「資産規模に対し投資額が多すぎた。大学の経営陣には金融商品に詳しい知識を持った人がおらず、認識の甘さがあった面は否めない」と話している。」
証券会社にだまされてはいけません。
資産運用による損失について(学長名の声明文)
駒澤大が金融先物取引に失敗 110億円の損失を出す?
こちらの記事によれば、駒沢大学の金融先物取引による損失については、千葉県のあるお寺の
住職がブログ(下記リンク)で告発していたそうです。
http://blog.goo.ne.jp/disclose-sotoshu
クウェート:大手銀、デリバティブで損失1300億円
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