監査監督機関国際フォーラムによる「2023年検査指摘事項報告書」の公表について
金融庁も加盟している監査監督機関国際フォーラム(IFIAR)が、「2023年検査指摘事項報告書」を、2024年3月18日に公表しました。
金融庁のウェブサイトでは、そのプレスリリースの仮訳が掲載されています。
2022年より検査成績が悪くなったそうです。
「本日、IFIAR は、6 大グローバル監査法人ネットワーク(GPPCネットワーク)に加盟している監査法人に対して、IFIAR メンバー当局が個別に行った検査に基づく 12 回目の年次検査指摘事項調査の結果に係る報告書を公表した。IFIAR は、法人全体の品質管理態勢に対する検査、及び個別監査業務に対する検査の 2 種類の活動に係る情報を収集した。51 法域の IFIAR メンバー当局が 2023 年調査に参加した。
2023 年調査における IFIAR メンバー当局の報告によると、検査を行った個別監査業務のうち、1 つ以上の指摘があったものは、2022 年調査の 26%に対し、32%だった。複数年に亘る減少傾向の後に 6%増加したことに対しては、失望すると共に懸念している。」
6大監査事務所ネットワーク(メンバーファームとして日本の大手・準大手監査法人も含まれる)に注文をつけています。
「IFIAR は、GPPC ネットワーク及びそのメンバーファームに対して、指摘が増加した場合又は改善が認められない場合には、その理由を理解するために、徹底的なレビュー及び根本原因分析を緊急に実施することを求める。そして、GPPC ネットワーク及びそのメンバーファームは、監査品質の継続的かつ持続的な改善を促進するために、特定した問題に対処するために必要な全ての措置を実施しなければならない。」
日本の事務所の検査結果はどうなのでしょう。
報告書自体は30ページ弱のものです(原文のみ)。そのうち本文は10ページ弱です。
報告書より、個別監査業務の検査結果をまとめた部分。
上の表は不備があった割合の推移、下のグラフは、分野別の推移(左から、会計上の見積り、統制テスト、監査サンプリング、財務諸表の表示・開示の十分性、グループ監査)です。