金融庁の証券取引等監視委員会は、令和元年度(2019年4月1日~2020年3月31日)の「証券取引等監視委員会の活動状況」を、2020年6月18日に公表しました。
主なポイントより「開示規制違反」について。
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本編が「主なポイント」を含め80ページ弱です。そのほか、附属資料編が200ページ超です。
開示違反関係は、「2-3 開示規制違反の検査・情報収集」(30ページ~)で記述されています。
「(課徴金納付命令勧告の)うち1件については、開示規制違反を行った上場会社に対する、証券監視委の課徴金納付命令勧告と同日に、公認会計士・監査審査会が、当社の会計監査人に関し、当社等に対する著しく不適切かつ不十分な監査業務等を理由として行政処分勧告する等、公認会計士・監査審査会と連携して、開示規制違反の防止に努めた。 」
この監視委と公認会計士・監査審査会の連携により、中堅監査法人が監査クライアントの多くを失う結果となったようです。
「令和元年度の課徴金納付命令勧告を行った6事案のうち2事案において、有価証券報告書の非財務情報についての虚偽記載が認められた。これら事案については、「コーポレート・ガバナンスの状況」における企業統治の体制、内部統制システムの整備状況、提出会社の役員の報酬等において、実態とは異なる記載が認められた...。」
これに関連して、「非財務情報も投資判断のために重要な情報です」というコラム記事も掲載されています。
「2-5 犯則事件の調査、告発」(47ページ~)の中でも、虚偽有価証券報告書提出事件(すてきナイスグループ)についてふれています。
「本件は、東京証券取引所市場第一部上場の老舗企業である犯則嫌疑法人による粉飾事案であって、経常損益が赤字(経常損失)であったにもかかわらず黒字であったなどと虚偽記載したものであり、また、告発対象者は、犯則嫌疑法人のほか、当時の実質的経営者や代表取締役であって、悪質性が高い事案であることから、告発したものである。 」
東芝と比べれば、かわいいものだと思うのですが...。
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