金融庁は、エヌエヌ生命保険株式会社に対する業務改善命令を発出しました(2023年2月17日付)。
処分理由より(一部)。
「当庁では、令和元年2月の国税庁による法人税基本通達の改正に係る保険業界への周知以降、累次にわたり保険本来の趣旨を逸脱するような募集活動を行わないよう注意喚起を行っているほか、同年10月に、「保険会社向けの総合的な監督指針」(以下、「監督指針」という。)の一部を改正し、法人等向け保険商品の設計上の留意点として、「保険本来の趣旨を逸脱するような募集活動につながる商品内容となっていないか」という観点を明確化し、節税(課税の繰り延べ)を訴求した商品開発を含め、同活動を防止するための指針を示している。
しかしながら、当社は、こうした状況を認識しつつ、名義変更による法人から個人(経営者等)への資産移転を用いた節税ニーズに応えるために、低解約返戻金型の法人向け商品を開発していく方針を商品委員会の資料に明示的に記載して、経営陣の関与の下、組織的に開発・販売を決定するといった悪質性の高い事例が認められた。
また、上記の注意喚起や監督指針の一部改正後も、本社営業推進部門が全国の営業拠点に対して、税務上の損金計上を訴求した不適切な保険募集に繋がりかねない営業推進活動(営業ツールや研修ツールの提供等)を組織的・恒常的に行っている実態も認められた。」
行政処分前の記事ですが...
「バレンタインの悲劇」から4年…金融庁、エヌエヌ生命に「業務改善命令」へ!露呈し続ける「保険業界の人材不足とモラル低下」のお粗末(Yahoo)
処分関連報道。
金融庁、エヌエヌ生命に業務改善命令 「節税保険」を組織的に開発・販売(ロイター)
「エヌエヌ生命はオランダのNNグループの日本法人で、中小企業向けの生命保険商品の販売に特化したビジネスを展開する中堅規模の保険会社。業務改善命令を受け「内部管理態勢の抜本的な強化やコンプライアンスの徹底等に取り組み、健全かつ適切な業務運営の確保に向けた態勢を整えてていく」とのコメントを発表した。」