私立大学のガバナンス改革問題を取り上げた記事。
まず、日本大学の状況にふれています。
「××前理事長は背任容疑での立件はされず、所得税法違反でのみ起訴された。逮捕前に「俺が逮捕されれば裏金のことも全部ぶちまける」と豪語していたと報じられた。それが背任での立件に影響したかどうかは分からないが、最終的には「逃げ切った」と見ることもできる。
もちろん、日大の工事などを受注している業者などから受け取っていた現金を「所得」として認めたわけで、それが背任に当たるかどうかはともかく、理事長としての「役得」だったことは明らかだろう。」
今の学長兼理事長が、前理事長から高額なスーツを贈られていたという文春の記事にもふれています。
文科省によるガバナンス改革については...
「政府は2021年6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2021」の中で、学校法人にも他の公益法人並みのガバナンス体制を導入する法改正を行うことを明記した。それを受けて「学校法人ガバナンス改革会議」が文科大臣の下に設置され、2021年末に報告書が出たが、ガバナンス強化を嫌う学校法人関係者の反対で、宙に浮いている。
あろうことか文科省は「大学設置・学校法人審議会」の下の学校法人分科会の下に、「学校法人制度改革特別委員会」という会議体をもう一度立ち上げ、学校法人関係者で固めた上で、再度審議を始めた。」
こうした文科省の動きに対抗する動きも出てきたそうです。
「これにはガバナンスの専門家が集まっていたガバナンス改革会議のメンバーが強く反発。「学校法人のガバナンス改革を考える会」を立ち上げた。発起人には改革会議に名を連ねた専門家のほか、大学改革で評価が高い坂東眞理子・昭和女児大学理事長・総長なども加わっている。
発起人代表の久保利英明弁護士は、「司法改革もコーポレートガバナンス改革も、立法府と行政府が、守旧派の抵抗を排除して実現してきました。日弁連や経済団体などにも危機感を共有する改革派がいて、自浄作用を求めたのです。私学界、教育界には、不祥事が相次ぐ現状を憂い、日本の大学のガバナンスが、世界から隔絶した水準にあるとの認識が欠けているのではないでしょうか」と語る。」
「本学元理事による背任事件に係る中間報告書(2)概要について」(日本大学)
1月21日に公表された報告書概要によれば、背任事件(2番目のもの)について、前理事長には、任務違背行為も、善管注意義務・忠実義務違反もないのだそうです。とすると、脱税の問題だけになるので、将来復帰することもあり得るのでは...
第1回日本大学再生会議の議事録(要旨)について(日本大学)
日大再生会議初会合 3月にガバナンス強化策(産経)
当サイトの関連記事(改革会議座長(元公認会計士協会会長)へのインタビュー記事について)
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