ジャスダック証券取引所に上場する工作機械メーカーのプロデュースが、虚偽の有価証券報告書を提出した金融商品取引法違反容疑で強制調査を受けたという記事。
「関係者によると、同社は株式上場以来、関係会社などと架空取引を行い、不正に売り上げを計上、決算を粉飾した疑いが持たれている。」
「電子部品製造装置などに独自の技術を持ち、売上高は06年6月期の58億8500万円から、08年6月期には163億7100万円に急伸させている。」
「ある県内経済関係者は「売り上げがきれいすぎるくらい倍々に伸びており、以前から話題になっていた」と指摘。」
循環取引:ジャスダック上場の新潟機械メーカー、粉飾か 監視委が強制調査(毎日新聞)
こちらの記事では各期の売上推移がもう少し詳しくでています。
「調べなどによると、同社は05年6月期ごろから、複数の企業間で製品を売買したように偽る循環取引を行い、水増しした売り上げを記載した有価証券報告書を関東財務局に提出した疑い。各期の売り上げは05年6月期約31億円▽06年6月期約58億円▽07年6月期約97億円だったが、総額数十億円が架空だった疑いがある。」
まだ粉飾だと確定したわけではありませんが、おそらく業界全体の売上の傾向からは大きく逸脱しているのでしょう。独自技術を持つとはいえ、たしかに不自然な面があります。
証券取引等監視委員会による調査に関するお知らせ(PDFファイル)
2008年度IR優良会社表彰について(ジャスダックのホームページより)(この会社も選ばれています。)
会社のウェブサイトをみると、(不必要に?)充実しています。日経CNBCに社長が出演したことが書かれています(9月1日付)。本当に出演したのであれば、日経の調査能力もたいしたことはなさそうです。
監査人を見てみると、2007年6月期に監査人が期中で交代しています。何かあったのでしょうか。大手監査法人は関与していません。
2008年6月期の決算短信(PDFファイル)
直近の決算短信を見ると、売上債権や棚卸資産が多いような気もしますが、業種の特性もあるので何とも言えません。キャッシュフロー計算書は、営業活動と投資活動が赤字(売上債権増の影響が大きい)、財務活動が黒字(増資による)ですが、営業活動キャッシュフローについては、表面的には、売上増による一時的なものとして説明がつかないことはありません。
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