会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

freee、22年6月期最終赤字116億円 減損損失計上響く(日経より)

freee、22年6月期最終赤字116億円 減損損失計上響く

freee(フリー)の2022年6月期は、92億円の減損損失などで、最終損益が大きな赤字となったという記事。

「freee(フリー)が12日発表した2022年6月期連結決算は、最終損益が116億円の赤字(前の期は27億円の赤字)だった。のれんを含む固定資産で減損損失を計上したことなどで、92億円の特別損失を計上したことが響いた。電子契約サービスなどの新規連結で有料課金会員が増え、売上高は143億円と前の期比40%増えた。」

決算短信や説明資料によると、ほとんど全部の有形・無形固定資産を減損処理したようです。Mikatusという会社を6月末に子会社化した際ののれんやのれん以外の無形固定資産(計34億円)も、減損処理した中に含まれています(実質的に即時償却していることになる)。

freeeの時価総額は、1967億円だそうです。6月末の同社の株主資本は約360億円で、今回減損処理した90億円を足しても450億円です。減損のグルーピングを会社全体だとすると(会社の説明資料によると少なくとも個別の事業ではない)、簿価の何倍も時価総額がある(つまりまるごと売却すれば簿価の何倍もの金額で回収できる)わけですから、減損処理が必要というのは、よくわかりません。もちろん、個別の事業にもうからないものがあって、簿価を回収できそうにないので、減損処理ということはありえますが、会社は、個別事業の実績に起因するものではないといっています。

大手のあずさ監査法人が監査しているので、理屈はあるのだとは思いますが...

同社2022年6月期 第4四半期決算説明資料より)

2022年6月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(freee)

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