耐震強度偽装事件で、構造計算書の偽造を見逃していた指定確認検査機関「イーホームズ」が、国土交通省から検査機関の指定を受ける直前に約2700万円を増資したかのように装って登記した疑いがあり、警視庁が捜査するという記事。
「捜査本部は、同社が、増資を引き受ける企業などに株式の購入原資を提供して、実態は、資本が増えたわけではないのに増えたように見せかけた疑いがあるとみている」そうです。
架空増資といえば、(しつこいかもしれませんが)思い出されるのは三井住友フィナンシャルグループが2003年にゴールドマンサックスに対して行った約1,500億円の優先株発行です。このときは、増資を引き受ける企業(ゴールドマンサックス)(の関係会社)のために、増資額とほぼ同じ信用供与を行っていますので、私見では、実質的には資本充実になっておらず、架空増資に近いものであると思います。
イーホームズのケースの実情はわかりませんが、中小企業ではありそうな話です。イーホームズの社長が違法という認識がなかったといっているのも、ウソではないのかもしれません。
2700万円の架空増資で大騒ぎするくらいなら、1500億円の架空増資疑惑(あくまで疑惑です)も少しは取り上げてもよかったのではないかと思います(一部では問題視していたようですが)。
イーホームズの藤田社長「増資は適法」
当社の増資は適法に行っております
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