会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

英アームの中国合弁トップが突如解任のなぜ(東洋経済より)

英アームの中国合弁トップが突如解任のなぜ
内部告発者の通報などで不適切行為が発覚


イギリスの半導体設計大手のアーム(ソフトバンクグループの子会社)と、その中国の合弁会社の経営者との間で紛争が起きているという記事。

「6月10日、アーム本社は中国法人「アーム中国」の取締役会が同社の董事長兼CEO(会長兼最高経営責任者)の呉雄昂(アレン・ウー)氏を解任したと発表。後任として副総裁の潘鎮元(ケン・プア)氏と唐效麒(フィル・タン)氏を共同CEOに任命した。

呉氏の解任理由についてアームは、内部告発者の通報などに基づいて調査した結果、利益相反の報告を怠るなど社内規則に違反した不適切な行為が見つかったためとしている。

ところが奇妙なことに、アーム中国はソーシャルメディア「微信」(ウィーチャット)の公式アカウントなどを通じて声明を発表。「アーム中国は中国の法律に基づいて登記された独立した法人であり、呉氏は董事長兼CEOの職責を引き続き履行する」と説明した。」

「呉氏の不適切行為についてアームは詳細を明らかにしていないが、関係者によれば、アーム本社や中国側株主は呉氏の独断専行ぶりに不満を強めていた。例えば、本社や株主に十分な説明をすることなく四川省成都市や江蘇省南京市に研究開発センターの設置を決めたり、広東省深圳市にアーム中国の本社を置くという株主と市政府の取り決めを無視したりした。さらに、取締役会の承認なしに個人で投資ファンドを設立し、会社との利益相反を招いたという。」

ソフトバンクGの英アーム、中国合弁と対立-誰が「違反」かで相違(ブルームバーグ)

こちらも、ソフトバンクグループが出資先の経営者ともめているという記事。

ウィーワークのニューマン氏、ソフトバンク提訴 株式買取撤回巡り(5月5日)(ロイター)

「米シェアオフィス大手ウィーワークの共同創業者、アダム・ニューマン氏は4日、ソフトバンクグループ(9984.T)が30億ドル相当の株式買い取り計画を撤回したことを巡り、同社と傘下の巨大投資ファンド「ビジョン・ファンド」を相手取り、訴訟を起こした。」

「ソフトバンクは昨年10月に合意したウィーワーク支援策の一環で、株式買い取りを行う計画だった。しかしその後、新型コロナウイルス感染拡大を受けて自宅で働く人が増える中、ウィーワークのオフィス利用率は大幅に低下。ソフトバンクは先月、複数の条件が満たされていないことを理由に、株式買い取り計画を撤回した。」

「米デラウェア州の裁判所に提出された文書は、計画撤回を非難し、ウィーワーク取締役会の特別委員会に法的措置を促したと指摘。「SBC(ソフトバンク)とSBVF(ソフトバンクのビジョン・ファンド)は、特別委員会が提起した称賛に値する訴訟の審理を妨げるため、ウィーワークの経営権を乱用している」と主張した。

ウィーワーク取締役会の特別委は4月上旬、ソフトバンクの株式買い取り計画撤回は不当として、同社を相手に訴えを起こした。」

ソフトバンクグループの2020年3月期決算では、このウィーワーク株式買い取りはないものとして、ウィーワーク関連の損失を計上しているようですが、もし訴訟に負けて、(大幅に目減りしている?)ウィーワーク株式を取得しなければならなくなれば、追加的な損失が生じることになるのでしょう。孫社長にすれば、30億ドルぐらいは誤差の範囲でしょうが...。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「企業会計」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事