日本公認会計士協会は、監査・保証実務委員会研究報告第18号「監査時間の見積りに関する研究報告(中間報告)」の改正を、2008年6月3日付で公表しました。
監査報酬にも絡む報告書なので、プレスリリースによると、公開草案に対してクレームめいた意見もあったようです。そのため、「主な意見の概要と当協会の考え方」という資料もあわせて公表しています。
以下、この資料から、監査人側に厳しめのコメントをピックアップしました。
「見積例で示された監査時間数の信頼性に欠ける。監査の質を維持していく上でも、約2倍の監査時間の増加数に監査人側も対応できるのか疑問である。見積例の時間数だけが独り歩きし、監査報酬の大幅な増加につながる恐れがある。」
「改正前の研究報告と比較し、監査時間の増加数が多すぎる。制度が始まっていない現段階で内部統制監査や四半期レビューを含めた監査時間を示すのは時期尚早である。」
「財務諸表監査と内部統制監査の一体監査及び年度監査を前提とした四半期レビューによる監査の効率化を強調すべきである。」
「監査は個々の企業の状況及び各監査法人の効率性に向けた工夫に応じて行われるものであり、見積例としても具体的な時間を示すことは控えるべきである。」
「監査人側は、企業側に監査内容及び監査時間について明確な説明を行うべきである。」
これに対して、協会側は、「被監査会社の規模に対応させた標準監査時間を示すものではなく、また、内部統制監査や四半期レビューの導入により増加する標準的な監査時間数を示すものではありません」、「あくまでも「見積例」を示すものであります」といった説明をしています。
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