海外の投資ファンドが、日本に一時避難しやすくするルールを金融庁が整備したという記事。
香港を念頭に置いているようです。
「大規模な災害や政情不安を避けて日本に一時避難し、ビジネスを続ける場合も登録が必要でしたが、金融庁は一時的に拠点を移す場合は、申請すれば3か月間は業務ができるルールを整えました。
これによって投資ファンドは早ければ3営業日程度で業務を始められるようになります。現地に戻ることが難しい場合は延長も認めます。
「香港国家安全維持法」が施行され、中国の関与が強まる香港から離れようとする金融機関が増えるという見方がある中、新たなルールによって移転先に日本を選ぶ可能性もあります。
政府の骨太の方針では、「国際金融都市の確立を目指す」として海外の金融機関の受け入れを増やす方針が盛り込まれ、金融庁は環境整備を急ぐことにしています。」
香港から金融機関が急に逃げ出さなければいけないような事態ということは、米中対立がさらに激しくなっているということでしょうから、国際金融都市の確立どころではなくなるようにも思われますが...。
香港ファンド、日本へ退避可能に 金融庁最短3日承認(日経)(記事冒頭のみ)
「政情不安の続く香港から投資ファンドを受け入れる新たな仕組みができた。金融庁は大規模なデモなどで業務の継続が難しい場合、通常の登録手続きを免除し、最短3日で日本を一時的な退避先とすることを認める。アジアを代表する金融センターの香港から、優秀な人材を呼び込む契機にしたい考えだ。」
「金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)」に対するパブリックコメントの結果等について(金融庁)
「【改正の概要】
投資運用業者等の金融事業者が、海外において業務を継続することが困難となった場合に、日本で一定期間に限り当該業務を継続するため、金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令第16条第1項(金融商品取引業から除かれるもの)に、一定の要件を満たす海外金融事業者が国内において行う金融商品取引業に該当する行為のうち、金融庁長官の承認を受けて行うもの(第17号)を新たに追加するとともに、所要の改正を行うもの。」
「災害等により海外における業務継続が困難になった金融事業者が本邦で一時的に業務を行うための承認制度に関するQ&A」の公表について(金融庁)
結局、日本は「国際金融ハブ」になれない?中国に操られる香港の行く末(Yahoo)
「今後のアジアの金融ハブがどこになるのかと憶測が飛び交うなか、ウォール・ストリート・ジャーナル紙(※5)では、中国当局が「クロスボーダーの資金移動がより容易になるよう」香港を支援し、香港の国際金融ハブとしての地位を低下させるどころか、より強化させていく姿勢を示していることを取り上げています。
実際、中国本土のハイテク大手企業が次々と香港で重複上場したり、中国本土の企業案件が増え、香港の金融機関は巨額な利益を得ているということです。同紙は「最近の香港金融セクターのパフォーマンスは、中国当局と歩調を合わせることがいかに恩恵をもたらすかを示している」と述べています。
また同紙では、「香港に深く根ざしているグローバル金融機関は、すでにビジネス環境の変化に適応している」と述べています。さらに、今後も多くの中国ビジネスを獲得するため、本土の企業や富裕層客に対応できるよう、標準中国語を話す「中国人の採用を強化」していると指摘しています。
「国安法」施行による香港の新たな立場は、実は金融業界にとっても「中国ビジネス拡大のチャンス」とみられているようです。残念ですが、日本がアジア国際金融ハブになる可能性は少ないということでしょうか。」
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