海外M&Aに自社株使用を解禁 拡大戦略を後押し 来年にも法改正(記事冒頭のみ)
自社株を使った海外M&Aをやりやすくするための会社法改正が行われるという記事。
「政府は2025年にも企業が自社株を使って海外企業を買収できるように会社法を改正する。現行制度では国内企業の買収にしか利用できない。株式と現金を組み合わせた買収の手続きも簡素化する。M&A(買収・合併)の手法を増やすことで企業の海外への拡大戦略を後押しする。」
政府の規制改革推進会議の答申に盛り込み、一応、法務省の法制審議会で議論したうえで、改正案を提出する予定とのことです。具体的には株式交付の適用範囲を拡げるのだそうです。
記事で引用されている調査によれば、2023年の日本企業の海外買収は661件、金額は8兆円とのことです。記事では、自社株を対価にできれば、財務体質面での負担が減るといったメリットを強調しています。
しかし、株式交付や株式交換で海外企業を買収するということは、その海外企業の株主(会社やファンドかもしれない)が日本企業の株主になるということです。つまり、海外企業に投資していた投資家が、流動性のない資産(非上場企業の場合)を使って、日本企業の持分を取得できるということです。そのことの影響は考えなくてもよいのでしょうか。
(法律改正されるとして、まともな取引に使う場合も多いでしょうが、得体の知れない海外会社の株式を株式交付により取得し、純資産を水増しするというような例も出てくるのでは。資金が不要なのでやりやすくなる。)