農林中央金庫がローン担保証券(CLO)投資を急拡大していることに関連して、国会で農相が懸念を表明したという記事。
「米国では、CLOの裏付け資産となるレバレッジドローン(高リスクローン)の市場が過熱。利回りの高さが投資家の人気を集め、2018年の発行額は過去最大となった。18年末にかけて、イエレン前連邦準備制度理事会議長らが次々と同市場のリスクを指摘。こうした事態を受け金融庁は1月、大手7銀行グループに対し、CLOに特化した一斉調査を実施した。
欧米のCLO市場において、日本の金融機関の存在感は大きい。スタンダード・アンド・プアーズのマネジングディレクター、スティーブン・アンダーバーグ氏は、昨年米国で発行された最上位(AAA)格付けのCLOの半分から3分の2を日本の金融機関が購入したとみる。
中でも農林中金の投資残高は突出しており、開示資料によると、CLOを含む債務担保証券(CDO)の保有残高は昨年12月末時点で6兆8219億円と、3月末時点の3兆8134億円から1.8倍に急増した。
農林中金のCLO投資急増の理由について、農水省の大澤誠経営局長は、農林中金からの説明として国際分散投資という運用方針に従って投資判断を実施する中で結果的にCLOへの投資が増加したと答弁。吉川農相は「仮に損失が発生すれば、JAバンク等や農村地域に甚大な影響を与える恐れがあると認識している」と述べた。」
リーマンショックの教訓が生かされていないのでしょうか。農林中金の監査人は、金融商品の評価を厳しく監査すべきでしょう。「市場が過熱」しているということは、この2019年3月期の時価は大丈夫なのかもしれませんが...。
焦点:CLO投資、農中・ゆうちょ急増 大手銀保有は今後も増加へ(ロイター)
「18年3月末以降、保有残高が急増したのは農林中金とゆうちょ銀。農林中金は米国を含めたCLO保有残高が、18年12月末時点で6兆8000億円。3カ月に1兆円のペースで増え、同年3月末比1.8倍となった。
ただ、地域別のCLO残高は回答しなかった。ゆうちょ銀は、18年12月末の米CLOの保有残高が1兆円で、同年3月末の2倍になった。
農林中金は、国際分散投資を基本方針に「全体としてリスクバランスのとれた健全性と収益性の高いポートフォリオを構築することが目標」と回答。「債券、株式、クレジット資産の主要アセットクラスから得られる収益とリスクを、リスク管理部門による適切なけん制を効かせながら、アセットクラス間の相関なども考慮のうえ資本の範囲内でコントロール」しているという。」
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