日産ゴーン事件のゴーン氏が日本を出国し、レバノン入りしたという記事。
「ゴーン被告は31日、「わたしは今レバノンにおり、もはや日本の不正な法制度の人質ではない。日本の法制度では有罪が確実で、差別がまん延し、基本的人権が否定されている」との声明を電子メールで公表。「私は正義から逃げたのではない、私は不正義や政治的迫害から逃れたのだ」と主張した。」
「元検事の郷原信郎弁護士は、ゴーン氏が裁判所の理解を裏切ったことは残念とした上で、「重要なのは今後のことだ。ゴーン氏事件の検察捜査はあまりにもデタラメだった」とツイート。「レバノン政府に対してゴーン氏の身柄引き渡しを求めても、果たして国際社会に通用するだろうか」との考えを示した。」
ブルームバーグ記事原文。
Ghosn Flees to Lebanon to Escape ‘Rigged’ Japan Legal System
riggedというのは、「不正に操作された」という意味だそうです。
ゴーン氏の声明文。
↓
【声明全文】ゴーン被告「私はレバノンにいる」渡航禁止も出国(NHK)
「もはや私は有罪が前提とされ、差別がまん延し、基本的な人権が無視されている不正な日本の司法制度の人質ではなくなります。
日本の司法制度は、国際法や条約のもとで守らなくてはいけない法的な義務を目に余るほど無視しています。
私は正義から逃げたわけではありません。
不公正と政治的迫害から逃れたのです。」
Ghosn confirms in statement that he is in Lebanon(NHK)
この記事よりゴーン氏の声明文の原文。
I am now in Lebanon and will no longer be held hostage by a rigged Japanese justice system where guilt is presumed, discrimination is rampant and basic human rights are denied, in flagrant disregard of Japan's legal obligations under international law and treaties it is bound to uphold. I have not fled justice - I have escaped injustice and political persecution. I can now finally communicate freely with the media, and look forward to starting next week.
justiceは辞書を見ると、正義という意味と司法あるいは裁判という意味もあります。persecution(迫害)という言葉も、長期間にわたる残酷で不公正な扱い(cruel or unfair treatment of someone over a period of time, especially because of their religious or political beliefs)という意味のようですから、きつい言葉です。
justice(裁判(=正義))から逃れたわけではなく、injustice(不正、不法、不公平)と政治的迫害から逃れたのだという、中国の反政府運動指導者みたいな発言です。
「メディアと自由にコミュニケーションできるようになりました」といっているので、年明けから、日本の司法システムと日産自動車経営陣への反撃を始めるようです。
ゴーン被告、楽器ケースに隠れ出国? 仏旅券で レバノン大統領と面会か(毎日)
「レバノンには、内政でも強い影響力を持つイスラム教シーア派武装組織ヒズボラがある。日本の公安委員会はヒズボラを「国際テロ組織」に指定しているが、今回の作戦に関与したかは報じられていない。」
ゴーン氏をテロリストにしたい人がいるようです。
ゴーン被告、自家用機で29日出国か 関空発で1機確認(朝日)
「ゴーン前会長側は31日、「私はレバノンにいる」との声明を発表。日本の司法制度を強く批判し、「不正と政治的な迫害から逃れた」と行動を正当化した。日本とレバノンは容疑者の身柄引き渡しに関する条約を結んでいないため、日本への身柄引き渡しは難しいとみられる。」
「レバノンのジュレサティ国務相は31日、同国メディアに対し、「ゴーン氏はフランスのパスポートとレバノンの身分証をもって合法的に入国した。日本を離れた経緯については情報がない」と語り、入国を認めた。」
ゴーン氏脱出前の記事。
ゴーン前会長への日本の処遇は「宗教裁判」 米紙が批判(朝日)
「同紙は、検察によるゴーン前会長の取り調べに弁護士が同席できず、疑惑が次々とメディアにリークされる中、ゴーン前会長が一方的に企業のトップを解任された一連の出来事が「共産主義の中国ではなく、日本で起きたことだ」と指摘。検察が捜査の透明性を高め、ゴーン前会長に自らを弁護する機会を与えなければ、この出来事が「日本経済界の汚点として残るだろう」と記した。」
「日本の司法制度では、容疑者を最長20日間勾留でき、別の容疑で再逮捕もできる。同紙はこうした扱いが「詐欺や私的金融取引を行った前歴のない世界企業のトップにではなく、暴力団の構成員にこそふさわしいものだ」とした。
また、日産の企業としての責任にも言及。ゴーン前会長が絡んだとされる疑惑が事実であれば、日産は「そのことにずっと前に気づくべきだった」と指摘。仮にゴーン前会長や、共謀者とされる前代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者(62)が会社に気づかれず容疑を実行していたとすれば、日産は「未公表の報酬よりも、むしろ内部統制に大きな問題を抱えていると思われる」とした。」
脱出後の記事。
「日本では99%が有罪」 ゴーン被告出国でブラジル紙(朝日)
「ブラジル有力紙「フォリャ・デ・サンパウロ」は長行の記事を掲載。ゴーン前会長は無罪を訴えているが、「日本では、起訴された99%以上が有罪になる」と伝え、「たとえ無罪であっても、検察は最高裁まで訴えることができるため、(被告は)何年もの間、裁判に引きずり込まれる」と日本の司法制度を論じた。」
これでは、国際的には、ゴーン氏を日本に戻せという声は上がらないのでは。
ゴーン被告の在日フランス人の友人らが明かすレバノンへの“逃亡劇”の全真相(週刊朝日)
「定期的にゴーン被告と接触していた友人の1人もこう明かす。
「ゴーンさんは、様々な点で検察、日本に怒りを感じていた。妻と長く会うことも許されず、最初から有罪ありきの検察の捜査にも非常に憤りを感じていた。当初は日本で裁判を戦い、無罪を勝ち取ると意欲的だった。だが、保釈中、いかに日本の司法制度全体が検察主導で、有罪ありきの構造になっているかを知り、絶望感を感じていた」
そしてゴーン被告の様子をこう語る。
「例えば、ゴーンさんが逮捕されることとなった有価証券報告書の虚偽記載についても、『日産の西川元社長も決裁している。なぜ私だけが悪くなるの?』『ゴーンが有罪であればいいという捜査だ』と話していた。西川氏ら日本人を守り、ゴーン有罪ありきで進む、東京地検の捜査をアンフェアと批判していた。弁護士が同席できない事情聴取、否認すると長期間の身柄を拘束される人質司法だ。保釈中でも、妻とも会えず、『自由にならねば戦えない』と大声で話すこともあった」」
ゴーン被告“国外逃亡”の衝撃 追い詰められる日産経営陣(週刊朝日)
「ゴーン被告は部下だった西川廣人取締役(日産前社長)らの行動や、詳しい経営情報について知っている。レバノンでの会見などで経営陣や日産にとって不利な内容が飛び出せば、大きなダメージとなる。」
「「ゴーン被告がいつ反撃に出るか注目されていましたが、日本での会見はしてきませんでした。レバノンに移り日本で裁かれるリスクがなくなれば、経営陣が別の不正に関与した情報などを公表する可能性があります。そうなると、いまの経営陣の正当性が揺らぎかねません。国際的にブランドイメージが傷つきますし、ただでさえ厳しい業績がさらに悪化することも想定されます」(全国紙記者)」
「ネット上では大みそかの大ニュースに、「除夜の鐘が鳴る前にゴーンが来るとは」といった冗談も飛び交っている。」
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