自主規制モニター会議(2024年10月29日)の議事要旨等の公表について
2024年10月29日に開催された、日本公認会計士協会の自主規制モニター会議の議事要旨等が公開されました。
議事要旨によると、協会からの「自主規制制度の運営状況」の報告の中で公認会計士・監査審査会の検査との関係について議論があったようです。(会議資料にはこの件の資料は見当たりませんでした。)
「直近の監査法人に対する検査結果に基づく公認会計士・監査審査会(以下「CPAAOB」という。)の行政処分勧告を踏まえた対応(CPAAOB の検査と品質管理レビューの結果の差異分析と改善策の検討)について、担当役員及びレビューアーから説明があった。」
(どの処分勧告なのでしょう。「直近」というと限られますが...)
委員の意見。
「協会の品質管理レビューと CPAAOB の検査では、掛ける期間、指摘の粒度、アプローチの仕方などに違いはあるものの、これを理由に差異が生じてもやむを得ないとしては、今後も同様の事態を繰り返す懸念がある。差異を生じさせないために本質的・抜本的にどうすべきかを十分に検討し、社会の負託に応えられるような品質管理レビューを目指す方向で議論を進めてもらいたい。」
「CPAAOB の検査スキームと品質管理レビューのスキームの擦り合わせを行い、監査の品質を担保するための重要な観点を明確にした上で、極めて慎重にレビューし、指摘していかなければならない。」
「取引所の上場審査においては、品質管理レビューを通じて適格性の確認がなされた登録上場会社等監査人の監査を受けることが、申請会社に求められる条件の一つになっている。本事例のような事態は、上場審査の制度にも影響があるため、しっかり原因分析を行い、今後の対応も含め共有してもらいたい。」
「短期間での取りまとめを予定していることについて、早期に結論を出し、その旨社会に公表することは大切であるが、同時に、徹底した対応策の検討が必要であることを踏まえ、議論の時間を十分に確保していただきたい。」
「上場会社に対する信頼は、公認会計士又は監査法人による監査と金融商品取引所の上場管理・上場審査に依拠している。監査の品質確保を切に願っており、今回の事案を機に、協会でしっかりした取組を進めようとしていることは評価す
る。」
「自主規制機関の監査やレビューを当局と同じレベル・頻度で行うことは、基本的な制度設計にもよるが、一般的には難しいと考えている。品質管理レビューの在り方や CPAAOB との結果の差異の検証に当たっては、差異がどこにあるかということと併せて、当局の検査とどのように連携・協力するか、といった視点も必要と考える。」
協会のレビュー結果が、金融庁検査の結果より甘かった(金融庁によって覆された)というような事例があったのでしょうか。
今後、分析の結果、金融庁検査に寄せるとなると、協会のレビューがより厳しくなるのかもしれません。