6月8日に開催された金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」の会議資料が金融庁ウェブサイトに掲載されています。
この回は、論点整理(全25ページ)が示されたようです。以下のような項目について、現行制度や海外の制度を含む現状と、それに対するさまざまな意見が示されています。意見集約の度合いは、項目によってだいぶ違うようです。資料中、四角で囲ってある部分が事務局のまとめのようです。
○「財務情報」及び「記述情報(非財務情報)」
・経営戦略・ビジネスモデル
・経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(MD&A)
・リスク情報
・その他(人的情報等、重要な契約、分かりやすい開示)
・「財務情報」及び「記述情報」の充実
○建設的な対話の促進に向けたガバナンス情報の提供
・役員報酬に係る情報
・政策保有株式
・その他のガバナンス情報の充実と提供
○提供情報の信頼性・適時性の確保
・会計監査に関する情報
・開示書類の提供の時期
(1)年度開示 (2)重要情報の公表タイミング (3)四半期開示 (4)沈黙期間
○その他
・IT を活用した情報提供、EDINET 等
・英文による情報提供
「会計監査に関する情報」 に関しては、「監査役会等による監査人の選任・再任の方針及び理由並びに監査人監査の評価、監査人の継続監査期間、ネットワークベースの報酬額・業務内容について、我が国でも開示されるべきではないか」「有価証券報告書における総覧性の向上の観点から、会社法上開示されている、監査人の解任・不再任の方針、監査役会等が監査報酬額に同意した理由、監査人の業務停止処分に係る事項について、有価証券報告書でも開示されるべきではないか」というまとめがなされています。
結論が具体的であり、議事録などを見ても、強い反対はないようなので、この方向で決まるのでしょう。ネットワークベースの開示については経団連などが反対しているようですが、会社側も監査人の独立性をチェックするために、監査人のネットワーク全体について、契約内容を把握していなければならないので、手間がかかるというのは反対理由にならないでしょう。
「年度開示」に関しては、「有価証券報告書の株主総会前提出への取組みが求められるのではないか」といっています。「年度開示」では、「有価証券報告書と事業報告等との共通化・一体化」にもふれていますが、結論なしです。
「四半期開示」に関しては「現状においては、四半期開示制度を維持することが適当」という結論で、現行制度を変える気はまったくなさそうです。(バフェット氏を呼んで意見を聞いてみては)
(四半期廃止論のほとんどは、半期報告は残すという意見だと思いますが、今回の論点整理では、単純に、四半期廃止・任意化対現状維持でまとめています。)
前回の会議の議事録も公表されています。各委員が意見を述べています。
金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」(第6回) 議事録
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