詐欺事件で逮捕された小室容疑者が事件当時の借金十数億円のうち3億円を年率60%以上の高利で借りていたという記事。
「関係者の話などによると、小室容疑者は兵庫県の個人投資家から5億円をだまし取ったとされる2006年8月ごろ、十数億円の借金を抱えていたが、このうち3億円は同年3月に東京都港区の上場企業から月利5%で借りたものだった。単利で計算しても、年利60%以上の高利となる。」
高利貸しで稼いでいたのはどの上場企業なのでしょうか。
小室哲哉容疑者逮捕、悪質手口明るみに
こちらの記事に社名が出ていました。
「関係者によると、小室容疑者が“融資”を受けたのはA・Cホールディングス(東京、旧南野建設)。旧南野建設は、「最後の大物仕手筋」と言われた西田晴夫被告(58)が07年に逮捕された株価操縦事件の舞台となった。」
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この本によるとこの会社はその筋では有名なようです。
「南野建設は1950年に設立された土木工事会社だが、証券市場では仕手銘柄として、とびきり有名だった。1回100億円という巨額の第三者割当増資を行うと、なぜか受け手が現れ、主要株主がめまぐるしく交代する。要するに、増資して資金を注入→株価上昇→売り抜けというパターンを繰り返すのである。」(259ページ)
この会社の決算(07年9月期・08年3月中間)をみると、自己資本比率が非常に高く(90%以上)、売上高が50億円弱であるのに、純資産が140億円もあります。しかし、業績は赤字基調で、07年9月期には減損損失などで40億円以上の損失を出しています。増資で集めた資金を不動産投資や有価証券投資に支出し、それが損失になってしまったようにも見えます。
建設業の科目も出てくるので、まともな事業も行っているようですが、全体としては何をやっているのかよくわからない会社です。