注文住宅販売会社「アーバンエステート」が、破綻状態であることを認識しながら顧客から前払いで工事代金をだまし取っていたとして、詐欺容疑で同社元会長らが逮捕されたという記事。
「捜査2課の調べでは、永井容疑者らは平成21年3月ごろ、東京都杉並区の男性会社役員(67)に、経営が破綻して住宅を建築できないことを知りながら、営業社員に「希望通りに家を建てます」などと嘘をつかせ、都内や神奈川、千葉に住む8人から計約1600万円をだまし取った疑いが持たれている。」
「・・・急激な拡大路線や金融不況などの影響で経営が悪化。21年3月に東京地裁に民事再生法を申請したが却下され、同年4月に自己破産した。顧客から代金を前払いで受け取っていたことから、首都圏で約500棟の住宅が未着工や未完成となっている。」
「破綻状態であることを認識しながら」顧客から前受金を集めたというのはたしかに問題ですが、前受金を当該工事の原価以外の支払いに流用すること自体は、契約で禁止されていない限り、法律違反ではないでしょう。グレーゾーンは結構広いような気もします。
また、発注者側に目を向けると、公共工事などでは履行保証制度があって発注者がある程度保護されていますが、より保護が必要なはずの一般消費者向け注文住宅については、そうした制度は強制ではないようです。仕組みに不備があるのでしょう。
アーバンエステート:元会長ら4人逮捕 金の使途を捜査(毎日)
「県警は、同社が09年3月24日に東京地裁に民事再生法適用を申請していることなどから、3月には既に、住宅を建築して顧客に引き渡す能力がなかったと判断した。」
社員同士の会話禁じて監視 アーバンエステート元会長(朝日)
アーバンエステート元会長の月額報酬500万円 破綻直前まで受け取る(産経)
アーバンエステート:前払い金「最低200万円」(毎日)
宮崎の老舗百貨店、再生法申請 「都城大丸」販売が激減(朝日)
こちらは、宮崎県都城市の百貨店を経営する会社が民事再生法の適用を申請し、財産保全命令を受けたという記事。
「同店発行の商品券も使えなくなる」そうです。前受金に伴う履行義務を果たせなくなったという点では似ています。
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